海外メジャー出場目安の世界ランクが国内ツアーだけでは維持困難に…米ツアー挑戦の日本勢が増加の理由
◆米男子ゴルフツアー最終予選会 最終日(15日、米フロリダ州・TPCソーグラスの2コース) 最終ラウンドが行われ、今季日本ツアー賞金王の金谷拓実(26)=Yogibo=が3位に入り、来季米ツアー出場権を初獲得した。ダイズバレーCを4バーディー、3ボギーの69で回り、通算5アンダーで上位4位タイまでの狭き門を突破。元アマチュア世界ランク1位の逸材はうれし涙を流した。47位で出た平田憲聖(24)=エレコム=は64で回ったが、2打及ばず8位だった。シード権を持つ松山英樹(32)と久常涼(22)、新加入の星野陸也(28)と大西魁斗(26)を含め、日本勢5人が来季世界最高峰の米ツアーに参戦する。 * * * 金谷の出場権獲得により、来季米ツアーを主戦場とする日本勢は5人となった。来季13人が参戦する米女子ツアーに比べれば、人数は少ないが、松山を除き世界トップレベルとの差がまだまだ大きい現状を考えると、この数字は日本ゴルフ界の成長と言える。 22年夏から日本ツアーの世界ランクに反映されるポイントが大きく減算され、海外メジャーに出場できる目安のランク50位、60位圏内を日本にいながら維持するのが難しくなった。コロナ禍が明けて若手の海外ツアー挑戦が増加。一方で、同年末から国内賞金ランク上位3人に欧州(DPワールド)ツアー出場資格が与えられ、米ツアー昇格へのルートが増えた面もある。 久常、星野が欧州経由で大西は米下部から、金谷は国内で賞金王獲得と実力をつけて予選会を突破し、ツアーカードを得た。第一人者の松山に次ぐ、メジャーで優勝を争える日本男子選手の活躍をゴルフファンは待ちわびている。(ゴルフ担当キャップ・岩原 正幸) ◆米男子ツアーの出場資格 ツアーは来年1月から8月まで39試合を予定。一部を除き、144~156人が出場可能。優先順位は過去5年間の4大メジャー覇者、最終戦優勝者が最も高く、カテゴリー1~4に分類される。来季シード選手はポイントランク上位125人でカテゴリー20。欧州ツアー上位10人は同27、下部ツアーからの昇格組は同28、予選会5位タイまでの選手は同29と優先順位が落ちる。今季、欧州ツアー上位の資格で米ツアーを主戦場とした久常は27試合に出場し、ポイントランク84位でシードを獲得した。
報知新聞社