「三星毛糸」岩田社長が語る 尾州ウール復活かけた「ひつじサミット」~【Bizスクエア】
三星毛糸 岩田真吾社長: 一義的には、作り手と使い手が直接繋がるという関係性を作ることにより、アパレル製品が安いものも出回っている中で、いいものとそうではないものとの違いがわかるようになったり、物を大事にしようという気持ちを持ってもらうのが目的。 もう一つ、多くの人からすると、同じ地域で同じ物作りしてる人は仲間だと思われるが、どこの産業でもそうだが、実際はライバルであったりして、お互いの工場を見るということはなかった。ただコロナ禍で産地全体が悪くなっていく時に、別々ではなく、みんなで協力して良くしていこうという中で、作り手同士の関係性をアップデートして新しい信頼関係を作るきっかけになればいいと思って始めた。 実は、繊維業は過程がたくさんあり、分業。ひつじサミットでは尾州にある繊維業24の工場を見学することができる。「紡績」「染色」そして生地を織る「製織」生地を編む「編立」生地の加工などを行う「整理」など。それぞれの工場に赴いて見学することができる。 ――サプライチェーンがものすごく複雑で多層に渡っているので、どこか一つが潰れると、産地自体が立ち行かなくなってしまうという面もある。 三星毛糸 岩田真吾社長: おっしゃる通りで、一つ一つの会社が収益化して持続可能になること自体は、すごく大事なことだが、ただ自社だけよければ、エコシステムが成り立つわけではないので、協力し合ったり、助け合うというのはすごく重要だ。 ――ひつじサミットがきっかけになるということか。 三星毛糸 岩田真吾社長: もしこれを産業政策だとして取り組むとしたら、他の事業を内製化するのに補助金出すとか買収するみたいな話かもしれないが、100年にわたってそれぞれプライドを持ってやってきた会社なので仲良くなるきっかけ作りをじわじわとやっていくことがすごく大事だ。 ――一緒に取り組めることがないかとお互い模索していくということか。 三星毛糸 岩田真吾社長: ひつじサミットの中でも、それぞれの工場で出し物をやることももちろんあるが、4年目になったので「A社とB社で一緒に企画を立てる」「C社とD社で一緒に作ったものを販売してみる」という動きも出てきているので、ちゃんと効果があると思っている。