「三星毛糸」岩田社長が語る 尾州ウール復活かけた「ひつじサミット」~【Bizスクエア】
三星毛糸 岩田真吾社長: 実際に日本の衣料は98%以上輸入品になっている。かなり日本製の服はレアなものになってしまっている。一方で私たちは今、ヨーロッパに輸出しているがヨーロッパの一流ブランドでも「日本の素材が欲しい」と探してくれるところもあるので、今厳しい状況で横ばいだが、やり方次第ではもう少し増やしていけるのではないかという気はする。 ――三星毛糸はヨーロッパへのブランドに納入することによって事業を付加価値化、高付加価値化で立て直してきたというような感じか。 三星毛糸 岩田真吾社長: 日本でこれから物作りするとなると、大量生産大量消費ではなくて、高付加価値なものを適切な価格でとなると、やはりヨーロッパのラグジュアリーブランドが目利きという意味では世界トップなので、商社や卸に任せるのではなく彼らに直接持って行く。 自分たちが行くことで「どういう生地を作っていくと世界トップに選んでもらえるのか」ということがわかるようになってくるので、それをまた国内のビジネスに生かす。輸出を一つのきっかけにして国内のビジネスも増やしていく形で、少しずつ成長している。 ――自分で生地を持って、世界のラグジュアリーブランドに売り込みに行った? 三星毛糸 岩田真吾社長: 直接行くと、例えば「SDGsの意識がどのぐらいまで高まっているのか」ということもわかる。ウールといってもいろんな使い方があり「スーツのようなカチッとしたものではなくて、もう少し柔らかい使い方はないのか」などそういう話も直接聞けるのはすごく重要だ。 ――最近新素材もたくさんあり、そういうものとうまく混ぜて、新しい素材を生かした形で提案をしていくことも一つの「光」なのか。 三星毛糸 岩田真吾社長: そのとおりだ。尾州産地には色々な会社があってそれぞれに工夫を凝らしている。毛織物が中心ではあるが、その技術を生かした工程、色々な素材を混ぜるとか、「混紡」という糸で混ぜるのも得意な産地。ぜひ本当にいろんな活用ができるので、アパレル産業の人にも尾州にまた足を運んでもらえたら嬉しい。