「三星毛糸」岩田社長が語る 尾州ウール復活かけた「ひつじサミット」~【Bizスクエア】
尾州の毛織物業者が手を取り合って行ったのが、各工場の一般公開。ひつじサミット尾州の目玉として始め、現在では24の業者が参加している。これまではほとんどの工場で見学が行われていなかったが、素材から糸を紡ぐ工場や、紡いだ糸を染色する工場、染色された糸で生地を織る工場など毛織物ができる工程を職人のガイド付きで見られるようにした。 一宮市からの参加者は「あんなに細かく見せてくれるんだ」「機械の中、通っていいのみたいな」。大阪から参加した男性は「大きい機械で職人さんもかっこいいし、素敵な仕事だなと思った」と話す。 ひつじサミットは2021年の第1回から年々規模を拡大し、東京から尾州に向かう貸切新幹線イベントも始めた。来場者も最初の年の1万2000人から、2023年は2万4000人に倍増し、ひつじサミットがきっかけで、毛織物業界に就職する人も出てきている。 渡六毛織 有冨渚さん: 技術力がすごくあるなと実際見て感じたので、元々(繊維の)産地に興味を持つきっかけになったのは今治なので、ひつじサミットに参加してなかったら、愛媛に行っていたかもしれない。 参加企業からは、横の連携が広がったことで新たな可能性を感じる声が上がっている。 長谷虎紡績 長谷享治社長: 面白い機能素材とこの地域の伝統的なウールの毛織物。これが組み合ってくるとすごく新しいものができてくると思う。これから一番成長する産業は繊維産業。断言する。本当にそう思っている。 ■岩田社長がスタジオに登場! 世界が認める「尾州ウール」繊維産業復活のカギは? ――今年のひつじサミットの手応えは? 三星毛糸 岩田真吾社長: 人数自体は集計中だが、すごく活気があって参加事業者からは、これまで以上に布、糸、製品を買ってくれる人が多かったと聞いている。尾州のファンが増えてきたのではないか。 ――ひつじサミットが目指すこととして「持続可能性」「産業観光」「事業継承」「地域共生」「担い手育成」と5つの項目が挙げられている。消費者の人たちに産地に来てもらい工場を見てもらう。知ってもらうということは、何を狙っているのか。