なぜこうなった...。J2リーグ、今季のガッカリクラブ6選。まさかの期待外れに終わったのは?
ザスパ群馬
監督:大槻毅→武藤覚 最終順位:20位 新しいクラブ呼称名、新しいエンブレム、そして新しい練習場。ザスパ群馬にとって新たな歴史の1ページとなった今季は、J3降格決定という残酷な結果で幕を下ろした。 群馬は昨季、大槻毅監督の下で11位でシーズンを終えた。J1昇格プレーオフ圏内を巡る争いをしていた時期もあり、今季に対するファン・サポーターの期待は小さくなかったはずだ。事実、赤堀洋代表取締役社長は9月に「いままでにない期待と興奮の中で2月のシーズン開幕戦を迎えました」と公式サイト上でコメントしていた。 しかし、その期待と反比例するかのように、今季の群馬は序盤戦から低調なパフォーマンスに終始する。 チームは開幕から6試合未勝利と苦しい船出。第7節に、同じく絶不調だった徳島ヴォルティス相手に初白星を挙げるも、翌節からはリーグ戦15試合連続勝利無しという泥沼に足を踏み入れた。5月には成績不振によって大槻監督が解任され、後任に武藤覚監督が就任したが状況は好転せず。 最終的に、群馬がリーグ戦で勝利したのは38試合中わずか3試合にとどまった。チームは第3節以降、一度もJ3降格圏を抜け出すことはできず、第11節からシーズン終了までずっと最下位で過ごしている。19位・鹿児島ユナイテッドとの勝ち点差は12まで開いてしまった。 昨季の躍進は何だったのか。チームは1年でJ2昇格争いからJ3降格まで落ちてしまった。 この状況が来季まで続くとは考えにくいが、今季のパフォーマンスでは1年でのJ2復帰は到底叶わない。大幅なテコ入れは不可欠である。J3で迎える来季は、群馬にとって「あるべき場所」に戻るための、そして名誉挽回のためのシーズンとなる。
ヴァンフォーレ甲府
監督:篠田善之→大塚真司 最終順位:14位 ヴァンフォーレ甲府は今季を14位で終えた。自らが掲げた理想と現実の間には、看過できない大きなギャップがある。 昨季は勝ち点3差でJ1昇格を逃した甲府。今季こそはJ1への切符を掴むべく、チームのスローガンを「緊褌一番」に設定した。文字通り、これまで以上に気持ちを引き締めて臨んだ2024シーズンだったが、期待外れのパフォーマンスが続いてしまった。 開幕2試合を白星で飾る素晴らしいスタートを切ったものの、その後は引き分けや負けの試合が増加。第15節から第24節にかけては、リーグ戦10試合連続勝ちなしという危機に陥った。 これを受けて、7月に篠田善之前監督が解任され、大塚真司コーチが監督に昇格した。篠田前監督下では、22試合6勝7分9敗。大塚監督就任後は16試合で6勝2分8敗という結果になった。 最終的に14位とJ2残留に成功したが、本来の目標ではないだろう。監督交代によってチームのパフォーマンスが好転したとは言い難い。 大きな課題は「勝ちきれないこと」、すなわち守りきれないことにある。 今季リーグ戦で、甲府は先制点を奪うことに成功した試合は20試合。そのうち最終的に引き分け・負けになった試合が9試合となっており、これはJ2全チームの中で最多の数字だ(Jリーグ公式記録参照)。 得点数はボトムハーフ最多の54となっている。以上の事実は、失点の多さがチームの高い得点力をかき消し、「勝ち点の取りこぼし」を多発させていることを示している。間違いなく上位進出の足枷だ。 先日、クラブは大塚監督の来季続投を発表した。今季途中に就任した指揮官は、この明確な課題を解決することができるだろうか。