浮気して子供を捨てたのに、元夫が払うのはたったこれだけ…?サレ妻が絶句した養育費「驚きの算定金額」
「行政の制度」について知識を得ることが大切
もう「誰も救ってくれない」……。そう思い詰めたら、とにかく行政とつながるべきだと、Sさんはアドバイスする。 「実際には何も動いてくれない行政に憤りを感じる場面もあるかと思いますが、『わたしは、今、苦しんでいる』を吐き出す場所にはなります。たとえば、浮気でメンタルを病んでしまって通院費や薬代が苦しいなら、『自立支援医療制度(精神通院医療)』を利用することもできますし、それこそ、心と身体が回復するまでは、一時的に生活保護という制度を使ってもいいと思います。少なくとも、知らない自分より、知っている自分にバージョンアップするためにも、ぜひ、役所に足を運んでみてください」 ――Sさんはサレ妻となり、離婚し、さまざまな知識を得て闘い抜いた結果、養育費17万5千円を勝ち取った。さまざまな経済的事情を考慮した金額だが、いずれにせよ「離婚してよかった」と話す。 「離婚していなければ、『お前だけズルい』の呪縛から逃れられなかったと思うんです。離婚するまでは、『私ばかり(子どもの育児・介護など)大変なのは、フェアじゃない!』『不倫について同じ代償を払ってほしい』といった気持ちが溢れて、情緒がまるでジェットコースターのようだったんです。今思えば、自分の心が相手に乗っ取られていたんですよね。心が安定しないから子どもにもキツく当たってしまい、自己嫌悪に陥ることも多かったです」
「サレ」を機に人生を変える
「少なくとも、今は相手に平等は求めません。それもこれも『お金』という落とし所があるから、ですね。もちろん『再婚するよ!』と言われたら落胆する気持ちはゼロとは言えないでしょうし、他所のご家庭を見て、パパがいるのいいなあと思うことも、しょっちゅうです。でも、この経験があるから、あらゆる家族のかたちがあるという前提で話をすることができますし、人の痛みにも寄り添える。これも養育費が貰えたからこそ、言えることなんですけどね」 Sさんがいかに自分に有利になるよう、スマートに元夫との話し合いを進めたかは、Sさんの実体験のすべてをマンガ化した冒頭の書籍を読んでいただきたい。 「どうか、頑張って子育てしている人が報われる社会になってほしい。そして、せめて今頑張っている最中の人と『よく頑張っているよね、わたしたち』と、肩を叩き合いたいですね」そう言って、Sさんは笑った。 10人いれば10通りの、100人いれば100通りの「サレ」があり、物語がある。第1回目の記事【「彼女でもいるの?」と聞くと…「サレ妻」になったマンガ編集者が気づいた、不倫している夫「3つの特徴」】では、奇しくも「ネオサレ妻」というパワーワードが飛び出したが、その代表ともいえるSさんのように、すべてのサレ妻が知識を得て、アクションを起こし、自分で自分を救うのみならず、「サレ」を機にさらなる素晴らしい人生を歩んでいく「ネオサレ妻(夫)」となることを、願ってやまない――。
国実 マヤコ(書籍編集者・文筆家)