「やる気ない」年上50代部下に言ったほうがいいこととは?年上部下が当たり前の時代のマネジメント
業務上の悩みや、人間関係の悩み、長時間労働、モチベーションの低下……などといった問題は、どの企業でも悩ましい問題でしょう。これらを解決する際に重要なのが、中間管理職(ミドル・マネジメント)である「課長」の手腕です。よい課長がいれば企業もメンバーも、組織としてよりよく成長することができます。つまり会社の失敗・成功の命運を握っているのも課長クラスなのです。 しかしながら、状況の変化が激しい時代において、課長の椅子には誰がいつ座ることになるかわかりません。もしかすると、部下を率いる心の準備や、十分な能力を付ける前に抜擢されることだってあり得ます。そのようなときにどうしたらよいか。そのヒントを『新版 課長の心得』より抜粋してお伝えします。
■年上部下が当たり前の時代に 最近は、50歳台半ばもしくは60歳前で、役職定年制度を設けている会社が増えてきている。その年齢になると、部長・課長であっても役職がなくなり、一般社員になるという制度である。また65歳や70歳までの雇用延長をする企業や、YKKのように定年を廃止する企業も出てきているため、年齢は高いが役職が低くなるケースはますます増えてくる。 これは企業側にとっては、人件費を抑える、若手の登用を促進するなどの利点がある一方、課長にとっては、かつて部長や課長を経験した人が部下となり、自分より年上の部下をマネジメントしなければならなくなるケースが増えるということを意味する。
役職がなくなり一般社員となった人の中には、プライドが高かったり、「給料が以前より減ったから」「自分は先が見えたから」などと考え、明らかにやる気のない者も出てくる。 そのような部下に、どう対応すべきだろうか? ①経験・専門性を活かした役割を担当する これまで積み重ねてきた経験・知識などの伝達を任せるのは効果的である。 大手メーカーのM氏は、課長経験後に役職定年、そして雇用延長となった。役職がなくなり、給料も目減りしたが、引き続きこれまでの経験を活かせる役割を任され、「これからも決して、妥協せず、楽せず、頑張る」と、全力で取り組んでいる。