狙いと課題は…カギは“強みと弱み”業界で進む“再編”ホンダ&日産が経営統合へ協議
日本の自動車産業の構図が大きく変わりそうです。世界6位のホンダと、8位の日産自動車が18日、経営統合について協議していくことが明らかになりました。そしてここに日産が筆頭株主となっている三菱自動車が加われば、世界3位のグループとなります。“100年に一度”と言われる変革期を生き抜くためだという業界再編劇の行方は。 【画像】狙いと課題は…カギは“強みと弱み”業界で進む“再編”ホンダ&日産が経営統合へ協議
■実現すれば『世界3位グループ』に
日本最古の自動車メーカーとして、自動車業界の礎を築いた日産。二輪自動車から身を起こし、日本の“ものづくりの精神”を世界に認めさせたホンダ。この2つが手を結べば、自動車業界の勢力図は新時代を迎えることになります。ホンダの社長にその真偽を聞いてみると…。 ホンダ 三部敏宏社長 「ご存じのように協業を含めて今も検討していて、その他の可能性についても話はしているが、今時点で決まったものはなく、当社から公式に発表した事実はない。決まったものがあればお知らせしたい」 「(Q.可能性の中に経営統合も含まれるか?)上から下までいえば、可能性としてはあると思う」 日産側もこうコメントしています。 日産自動車 「ホンダと日産は両社の強みを持ち合い、将来的な協業について様々な可能性を含めた検討を行っています」 両社とも、あくまで“可能性”という表現に留まりますが、経営統合に向けた動きを本格化させていることは間違いなさそうです。 有力となっている案は、持ち株会社を設立し、ホンダ・日産ともにその傘下に入り、将来的には日産が筆頭株主となっている三菱自動車も合流することも視野に入れているといいます。 そうなると、販売台数ではトヨタグループ、フォルクス・ワーゲングループに次ぐ、世界3番目のグループが誕生することに。なぜこれほどの規模の動きが起きているのか。専門家はこう見ています。 自動車ジャーナリスト 佃義夫氏 「(日産の)技術力がホンダの技術力、三菱とも、三者三様の技術力がうまくかみ合って、知能化・電動化に向けて力を発揮して、商品力につなげていければ世界に伍していける。自動車から“モビリティー”の方向に向かっていますが、2030年代以降が勝ち残りへの本番になります。あと5年の間にどう布石を打てるか」 今、世界の自動車産業は大変革の時を迎えています。ここ5年ほどで一気に高まったEV(電気自動車)の普及率。さらに、いまや車もネットワークにつながる時代。自動運転や事故防止機能、自動緊急通報システムなど、インターネットと人工知能の活用が当たり前のことになろうとしています。 その波に乗るのは容易ではなく、特に日産にとって難しい現状に直面していると言っていいかもしれません。