ハーバード大、次期米政権下で批判派台頭の脅威-資金面に暗雲
トランプ氏は、ニューヨーク州選出のステファニク下院議員を国連大使に起用する意向を示した。ステファニク氏はハーバード大の卒業生だが、現在では批判派の1人となっている。
また、バンス次期副大統領は、ハーバード大学寄付基金のような大学基金を「米国の社会悪」と呼び、こうした基金に対する大幅な増税を提案している。
さらにハーバード大は課税対象ではない教育機関の一つである上、連邦政府の補助金を受けているが、こうした状況は共和党が主導する議会によってすでに脅かされている。
ハーバード大のリチャード・トーマス教授(古典学)は「反民主主義的な勢力は高等教育を喜んで解体するだろう。ハーバード大は連邦政府の補助金なしで生き延びるか、補助金の受給に伴う極端な政治的支配に従うかの選択を迫られる可能性がある」と話す。
ハーバード大を非難しているのは議員だけではない。寄付者や長年の支援者も改革を求めている。批判の矛先は、キャンパス内の反ユダヤ主義への対応、学生や教員の募集、言論の自由に関する規則の選択的な適用などだ。
資産家のケン・グリフィン氏も今年、母校のハーバード大を批判した1人だ。これまで5億ドル余りを寄付したが、同大が「米国の若い男女をリーダーや問題を解決できる人物に育成する役割」を再び担わない限り、寄付を停止するとの認識を示している。
ルフォ氏がトランプ次期政権に期待するのは、大学への補助金とDEI(多様性、公平性、包摂性)プログラムの廃止とを結び付けることだ。行動を起こさなければハーバード大に重大な結果がもたらされる可能性がある。
ガーバー氏はこうした今後の課題を理解している。「大学が国に貢献することの重要性を訴える必要がある」とインタビューで述べた。
ハーバード大は批判の一部について、不正確で誤解に基づくものと主張しているが、ガーバー氏は「根底にある問題の一部は現実のものだ」と考えており、それら全てに直接反論する意向はない。