「母検定があったら落第」佐伯日菜子 理想の母親像になれない苦悩を経た現在の「割り切り」
映画『らせん』の貞子役としても注目を浴びた佐伯日菜子さん。結婚、離婚、子育てを経験しながら、母との関係の変化や、佐伯さん自身が母になって思うことは(全3回中の2回)。 【画像】「ふたりともいい表情」娘の卒業式での1枚など佐伯日菜子さんとふたりの娘たちとの親子ショット(全14枚)
■集中してなかったでしょ?と母に言われ ── 佐伯さんは長女が21歳、次女が20歳と成人されています。結婚や離婚、子育てと経験していくなかでご自身の中で変わったことはありますか? 佐伯さん:母との関係ですね。私が子どもの頃の母はすごく厳しく、どちらかと言えば気軽に話しかけられないような存在でした。
たとえば子どものとき、母は私のバレエのお稽古を毎回チェックしては「集中してなかったでしょ?」などと逐一注意するようなところがありました。私もバレエを楽しむことより、母に怒られないようにバレエをすることに集中するようになって。もちろん普通に話はしていましたが心の底から素直になれず、何かあっても怒られないようにごまかしたり嘘をついたりしていました。 ── なぜお母さまへの気持ちが変わったと思いますか?
佐伯さん:結婚、出産、離婚…と人生の節目に出合うたびに母に対する感謝や理解が少しずつ芽生え始めたんです。「だから厳しかったのか」「こういうことを伝えたかったのか」と。母は事故で体に障がいがあった兄の介護もあり、お友だちとのお出かけや好きなことに使う時間も限られていました。そのうえ、私は長女が11歳、次女が10歳のときに離婚したため、私の結婚生活のことでもたくさん心配をかけてしまいました。 大変な思いをした時間を取り戻すのは難しいと思います。でもこれからは楽しい思い出もいっぱい作ってあげたいと、去年は母と私と娘二人の計4人で韓国旅行へ行きました。
── 親子三代での旅行、素敵ですね。佐伯さんが計画しましたか? 佐伯さん:母が大好きな韓国ドラマを見ながら「ここに行ってみたいな」と呟いていたのを聞き、「休みがあったら皆で行ってみようかね~」なんてさりげなく。「連れて行ってあげるよ」と誘うと遠慮してしまう人なので。 韓国では、母が大好きなドラマのロケ地を聖地巡礼して、韓国の伝統衣装も着てみんなで写真撮ったりしましたね。そしたら、この場所はこういうシーンでとか、何々って俳優さんが歩いててかっこよかったとかすごく喜んでいましたよ。