史上最速V視野の川崎Fに「交代選手得点」の勝利法則
今シーズンから採用する[4-3-3]の特徴は、3トップの背後にインサイドハーフを左右対で並べて、前線により多くの人数を配置する点にある。相手ボールになるやいなや、前線から激しくプレッシャーをかけてボールを奪い取り、攻める時間を激増させるスタイルを中断期間中に習熟させた。 加えて、前出の大卒ルーキー、旗手と三笘もチームにフィット。結果として左ウイングで三笘と長谷川竜也、そして復調した齋藤が、右ウイングではMVP獲得経験者の家長昭博と旗手が競い合う構図が生まれた。家長と旗手はインサイドハーフでもプレーできるため、脇坂泰斗、日本代表経験者の大島僚太、大けがから復活した大黒柱・中村憲剛も加わる大激戦区と化した。 さらにアンカーも開幕当初は東京五輪世代の田中が重用されてきたところへ、日本代表経験者の守田英正が復調。結果的に田中もインサイドハーフに回り、2ゴールをあげた9月13日のサンフレッチェ広島戦後には 「今日が最後のチャンスだと思っていた」と、偽らざる心境を語っている。 三笘もセレッソ戦で9ゴールに達し、城彰二(ジェフ市原)、渡邉千真(横浜F・マリノス)、金園英学(ジュビロ磐田)、武藤嘉紀(FC東京)に次ぐ史上5人目のルーキーによる2桁ゴールに王手をかけた。9ゴールのうち途中出場で6ゴールをマークしている点も、そして先発回数で上回る旗手が5ゴールをあげている点も、チーム内の切磋琢磨ぶりを鮮明に物語っている。 残り13試合を同じペースで勝ち進めば勝ち点は90に、総得点は100に到達する。J1が18チーム体制になった2005シーズン以降の最多記録が、前者が2015シーズンのサンフレッチェ広島と2016シーズンの浦和レッズの74、後者が2006シーズンのフロンターレの84だから、ともに大幅に更新する。あくまでも机上の計算だが、いまのフロンターレにはマイナス要素が見当たらない。