能登地震でもやっぱり出た、根拠のない「人工地震」 デマはなぜ広がる? かつてはオウム真理教も「阪神大震災は地震兵器の攻撃」
―インターネットに情報を依存している。 「陰謀論のコミュニティーでは『自分の頭で考えなさい』という言葉がキーワードとなっている。一見、正しいように思えるが『メディアの言うことは信用できないが、真実を教えてくれるサイトを自分で見つけた』となりかねない危険性がある」 ―判別するには。 「目の前に示されたことを信じ込むのではなく、事実と推測・意見を切り分ける視点が重要だ。なぜ自分はこの情報を正しいと思ったのか。いったん判断を留保して、他の情報と比較しながら検討する『健全な吟味』が求められている」 ―メディアの役割は。 「記事がどういった論拠に基づいているか、関連のリンク先を示すなど、受け手が原典をたどれる工夫をすべきだろう。普段から原典に当たることをしていれば、読者や視聴者のメディアに対するリテラシー(知識や判断力)を高めることにつながる」 ―それが陰謀論の拡散を防ぐことになるか。
「陰謀論は強固に信じている人が多いと思われがちだが、程度の差はある。明確な論拠を示すことで、その過ちを理解する人も少なくない。そうした『情報のワクチン』を届けることも、メディアの大きな責任ではないか」