体の中から温まる「根菜のかす汁」 〝残り物〟の組み合わせで生まれる優しい味わい ひなちゃんパパの家族レシピ
家族で過ごすお正月は心がほんわかして、温かいですね。でも、ひとたび外へ出れば木枯らしが吹いて、厳しい寒さです。「手袋をしていても指先まで冷たいわ」とママ。体の中から温まる料理を作ってみよう。 「酒かすを使ったかす汁はいかが? 冷蔵庫などに少しずつ残っている根菜で具だくさんに仕上げましょう」 江上料理学院副院長の江上佳奈美先生がこうすすめてくれました。 大根、ニンジン、サトイモ…。煮物で使い切れずに、残った根菜がありました。酒かすは日本酒を醸造する際に、もろみを搾った後に残ったもの。〝残り物〟の組み合わせから生まれる味わいに、興味がそそられます。 まず、根菜はイチョウ切りに。サトイモは塩をふってもみ、出てきたぬめりを洗い流します。だし汁に入れてやわらかくなるまで煮たら、かための木綿豆腐を手で一口大にちぎりながら加えました。包丁で形よく切るより、手を使ったほうが表面積が増えて、味がしみやすくなるそうです。 酒かすは酒を搾って板状にした「板かす」、崩れた形状の「ばらかす」、板かすやばらかすを熟成させたペースト状の「練りかす」があります。 「どれを使ってもOK。ただ、いきなり汁に入れてもダマになって溶けにくいの。みそと一緒に練り混ぜて、少量の煮汁で溶いてから鍋に戻し入れるのがポイントよ」と江上先生。みそのいい香りと、酒かすの甘い香りが一体となって立ち上ります。 食べてみると、酒かすのこっくりとした味が根菜のうまみを引き立てます。ママは「良くしみていて、優しい甘みね。心まで温かく癒やされるわ」。酒かすはアルコール分が含まれているので、くれぐれもご注意を。 材料・2、3人分 豚バラ薄切り肉………4枚 大根、サトイモ………各100グラム ニンジン………50グラム 生シイタケ………2枚 木綿豆腐………2分の1丁 酒かす………80グラム だし汁、塩、みそ 作り方 ❶豚バラ薄切り肉は3センチ幅に切る。