これから始める「苦手な暗記」を、もっとも効率的に行える《画期的なノート》の作り方…育児中に「半年で東大大学院」に合格した女性が教える
ノートにどんどん書き込む
1.語呂合わせ法 覚えたい言葉や数字を、意味のある言葉に置き換えて覚えやすくする方法です。だれもが一度はやったことがあるポピュラーな暗記法といえます。 ●鳴くようぐいす平安京(794年平安京遷都) ●水平リーベ僕の船なら(H、He、Li、Beなど原子記号) 2.ストーリー法 覚えたい知識をつなげて物語をつくる暗記法です。 たとえば、秘書検定で頻出の常識問題で、長寿祝いの年齢を表すときの「喜寿=77歳」「米寿=88歳」「白寿=99歳」という、一見紛らわしくて覚えづらい知識も、ストーリー形式で覚えれば、頭の中にイメージが湧き、頭に入ってきやすくなります。 「ラッキーセブン(7)は“喜”ばしい。うれしくてお米を食べていたら、お“米”から蜂(8)が出てきたから、“白”い靴(9)を履いて逃げ出した」 ストーリー法のコツは、できるだけ突拍子もないストーリーをつくること。突拍子もなく、変なストーリーであればあるほど、印象に残りやすくなり、記憶に残りやすくなるからです。 3.英語変換暗記法 カタカナの言葉を覚えるときに、英語の意味を知ることで、暗記が格段に楽になる方法です。 私が世界遺産検定の勉強をしていたときの例を挙げましょう。「ロス・グラシアレス国立公園」は、アルゼンチンにある、巨大氷河で有名な国立公園ですが、「ロス・グラシアレス(スペイン語で「LosGlaciares」)」という言葉はなじみがなく、かなり覚えづらいことと思います。 しかし、英語で「glacier」が「氷河」だと知っていれば、どうでしょうか? 「glacier」をスペイン語にしたのが「グラシアレス」なのです。さらに、「los」は、英語の「a」や「the」のようなスペイン語の冠詞の1つです。このことを知っていれば、氷河で有名な国立公園=ロス・グラシアレス国立公園の結びつきが、一気に覚えやすくなります。 ヨーロッパの言語は、元々共通の言語から分かれてきたものが多く、英語変換暗記法が役立ちやすいです。 4.“自己流”英語変換暗記法 英語変換暗記法の弱みは、元の単語の意味を知らないと覚えやすくならないことです。そんなとき、自己流で覚えやすい英単語に変換し、それをストーリー法で覚えるのがこの方法です。 たとえば、世界遺産を学んだときに出てきた「ドルメン(新石器時代以降の支石墓の名称)」という言葉。これは、実際の語源はブルトン語で、「dol(テーブル)」+「men(石)」(テーブル状の石)という意味ですが、英語と似ていないので、かなり覚えづらいです。 そこで、「doll men(人形の男たち)」と自己流に英語変換します。これなら、少し覚えやすくなりますよね。さらに、それだけでは「支石墓」との結びつきが弱いので、ストーリー法も駆使して、「人形の男たちが支石墓をつくった」というストーリーをつくれば完成です。 このように、なじみのある英単語に置き換え、それをストーリー法で覚えやすいお話にすることで、どんな言葉も暗記しやすくなります。 5.“自己流”漢字変換暗記法 覚えたいことを自己流で漢字変換したうえで、ストーリーで覚える方法です。 たとえば、世界遺産の「ロべン島」は、南アフリカ初の黒人大統領のネルソン・マンデラがかつて政治犯として収監された刑務所のある「人種差別の歴史が刻まれた島」です。 この暗記しづらい「ロベン」という言葉も、「路弁島」と漢字変換し、「黒人だけ(屋内ではなく)路(上で)弁(当を食べさせられるほ)人種差別のひどい島」とストーリー仕立てで覚えたなら、暗記しやすく、忘れにくくなります。 6.語源暗記法 英単語を「語源」で覚える方法です。英単語がどこから来ていて、どういう意味を持っているかを知ることで、英単語を覚えやすくなります。 たとえば、「exclude(除外する)」と「include(含む)」。英単語単体で覚えるのは難しく感じるかもしれませんが、ex=外へ、n=内へ、clude=閉じる、という語源を知っておけば覚えやすくなります。 ●外へ閉じる → 相手を外に出して閉める → 除外する ●内へ閉じる → 相手を内に入れて閉じる → 含める さらに、「preclude(妨げる)」や「conclude(結論を出す)」のような単語も、かんたんに覚えられます。 ●pre(事前に)+clude(閉じる) → 前もって閉じる → 妨げる ●con(ともに、一緒に)+clude(閉じる) → ともに議論を閉じる → 結論を出す 語源さえ覚えておけば、たとえ単語の意味を忘れてしまったときも、語源から意味を予測することが可能になります。 7.イラスト暗記法 知識は「イラスト化」すると覚えやすくなります。これは「画像優位性効果」といい、科学的にも証明されています。 たとえば、「イースター島にある世界遺産のラパ・ニュイ国立公園は、先住民の長耳族と短耳族のつくったモアイ像が有名」ということを覚えたいとき、 「“長い耳”と“短い耳”のついた“モアイ”が“ラッパ”(ラパ・ニュイ)を吹いて“イースター”を祝っている」 というストーリーをつくり、それをイラスト化します。絵にすることで覚えやすくなり、時間が経っても忘れにくくなりますよ。 イラスト暗記法は、これまで紹介してきた暗記法と組み合わせると効果的です。特に、「人形の男たちが支石墓をつくっている絵」(“自己流”英語変換暗記法)や、「ネルソン・マンデラが島の路上で弁当を食べて人種差別をなくす決意をしている絵」(“自己流”漢字変換暗記法)などのストーリーはイラスト化することで、暗記がぐんぐんはかどります。 ノートには、これらの暗記術を駆使し、暗記法やイラストをどんどん書き込みましょう。そうすることで、暗記が格段に進みます。 …さらに石黒由華さんの連載<時間がないを言い訳にして《なにもやらない人》が見落とす「ムダ時間」の意外な縮め方>はこちらからどうぞ。
石黒 由華