高校生に会場どよめき「凄い」 驚異の3人抜きドリブル…1.4万大観衆沸かせたJ内定ドリブラー
「正直、今日は初戦に比べるとあまり歓声はなかった気がします」
狙いどおりの3連続股抜きのドリブルには、フクダ電子アリーナに詰めかけた1万4235人の大観衆からどよめきと「凄い!」と言う感嘆の声が沸き起こった。 後半20分には選手交代によって左サイドハーフからボランチにポジションを移すと、今度は豊富な運動量を生かし、スペースを埋めたり、相手のエースストライカーの山下景司、長身ストライカーの兼松将へ強烈なプレスバックをしたりと守備面で献身的なプレーを披露。その一方でセカンドボールを回収しては、突破のドリブルだけではなく運ぶドリブルで相手のベクトルを折りながら、攻撃の時間を作り出していく。 大観衆が歓声を上げれば上げるほど、亀田のドリブルは切れ味を増し、さらに「歓声は聞こえますが、ドリブルする時は常に相手の状況や狙い、重心の動きや足の運びなども見えています」と、ボールを触ることでどんどんゾーンに入っていく。 本能と冷静さを併せ持って、リズミカルかつテクニカルなドリブルを見せる。亀田のエンターテイメント性と機能性の高いプレーもあり、流通経済大柏は事実上の決勝戦と呼ばれるにふさわしい熱戦を制して準々決勝進出を決めた。 「正直、今日は初戦に比べるとあまり歓声はなかった気がします。自分がドリブルしても『おーっ!』とは聞こえなかった。あまりスタンドが沸かなかったので悔しいですね」 試合後、彼はいつもの冷静な表情でこう口にしたが、「実際はかなり沸いていましたよ」と伝えると、少しだけ笑顔を見せながらこう続けた。 「沸いていましたか? でも僕的にはまだ少ないと思っているので、この先ではもっと声を出してもらいたいですね」 流通経済大柏が誇る変幻自在のドリブラー。準々決勝以降はもっと歓声を引き出して、頂点まで魅せながら駆け上がっていくつもりだ。
FOOTBALL ZONE編集部