「フリーアドレスだから会話が弾む」は間違い。上司と部下のコミュニケーションが活発化する最もシンプルな方法とは?
中間管理職無理ゲー完全攻略法 #2
「部下から話しかけられることがほとんどない」。“報連相”が大事な職場で部下が上司に話しかけにくいというのは問題だろう。だが、それはどこの職場でも起こりうる事案だ。 〈知っておきたい〉部下が話しかけやすい目線の高さとは 『中間管理職無理ゲー完全攻略法』より一部抜粋・再構成し、ほんの少しの工夫で部下の心理的なハードルを大きく下げる方法を解説する。
〈問題〉報連相を求めても、部下から積極的に話しかけてこない。結局毎回自分から尋ねる羽目に もう少し積極的にコミュニケーションをとって、情報共有してほしいのに、部下から話しかけてくることがほとんどない。部下のステータスやプロジェクトの進捗情報が共有されず、自分から尋ねると危機的状況があらわになることも。 〈解決法〉目線の高さを物理的に変えることでコミュニケーションのしやすさをコントロール 自分の目線の高さによって、相手の、コミュニケーションに対する心理的ハードルの高低が変化します。それを逆手にとり、自分の座る場所や姿勢を変えることで、部下からのコミュニケーション頻度をコントロールしてみるのはいかがでしょうか。 〈解説〉 部下やチームメンバーから、あまりに頻繁に話しかけられると、自分の仕事に支障が出てしまう。かといって、まったくコミュニケーションがなければ、それはそれで困るものです。 部下からのコミュニケーションがなければ、仕事ぶりを評価することも、問題を把握することもできませんし、戦略を立てる上でも、業務の無駄やミスを防ぐ上でも、報連相は必要不可欠です。 進行上、ミスや誤解が生じていないか、適切な方法で業務を進められているのか、上司のほうから頻繁に尋ねてしまうと、まるで部下を信用していないように見えてしまうでしょう。 もちろん、尋ねれば話してくれるのでしょうが、いつでも部下自らコミュニケーションをとれる状況が、組織としては健全なはずです。 では、どのようにすれば、部下から自然と話しかけてくれるようになるのでしょうか。 実は、上司がどんな席で仕事をしているかによって、会話の発生頻度が変わる、ということが我々の実験から明らかになっています。 近年、フリーアドレス制を導入しているオフィスが増えました。フリーアドレスのオフィスでは、テーブル席、デスク席、ソファ席、ハイテーブル席など、さまざまな形の席が用意されていることが多々あります。 フリーアドレスを採用している企業の狙いの一つには、上司・部下間、あるいは部署を横断する形で、コミュニケーションをより円滑にとりやすくし、アイデアや情報の交換を活発化したい、というものがあるようです。 実際に我々も、固定席制からフリーアドレス制へオフィスレイアウトの変更をした際に、どのように社員同士のコミュニケーションが変化するかをある企業で調査したことがあります。 そして、この調査では意外なことが判明しました。