◆トランプ氏が拳を突き上げる写真が世界中で話題に

現在の全米の世論調査では、バイデン氏とトランプ氏は拮抗していますが、若者はトランプを嫌い、その支持がバイデン氏に流れています。また、若者の7割が共和党よりも民主党を支持するのも“トランプ嫌い”が大きく影響しています。 若者たちが懸念する大きな理由は、トランプ大統領の“例の写真”です。生き残ったトランプ前大統領が星条旗を背景に拳を振り上げる写真はアメリカのみならず、世界中に衝撃を与えました。 ノエ：僕が心配しているのは、この事件がトランプの大統領としての地位を確立する、最後の一押しになるのではないかということ。暗殺未遂によって、彼はアメリカのために戦っている「殉教者」みたいな存在になり、命をかけて戦っているという印象を持たれたと思う。 「殺されかけても、それでも戦い続ける」というストーリーが生まれて、支持者たちが「ファイト、ファイト」と叫ぶなか、アメリカ全体が「USA」と応援する。まるで映画のワンシーンみたいに。悪に立ち向かう反乱グループや少数派が命をかけて戦っている姿を連想させ、彼はそのヒーローになったと思う。 メアリー：この事件がPRみたいに使われることが不安。あの拳を突き上げる写真は世界中に広がっているけど、本当にかっこよく見えるのは認めざるを得ない。だけど、それがPRになっているのが心配。 シェリー：この写真が彼の選挙運動を後押しすると思う？ ノエ：当然、100パーセント後押しするでしょう。共和党とトランプはこの状況を最大限に利用すると思うよ。バイデンを破壊したとまでは言わないけれど、バイデンの支持基盤があまり安定していない今、彼が勝てる可能性はさらに厳しくなったと思う。ニューヨークですら、バイデンは100パーセントの支持を得られていないと聞いたよ。 暗殺未遂事件を受け、ヒーロー視されているトランプ氏。この事件を最大限利用すると、トランプ氏と共和党が圧倒的に有利になるとラボのZ世代は予測し、強く懸念していますが、これは若者に限らず、誰もが共有している感覚だと思います。 7月15日、ウィスコンシン州ミルウォーキーで米共和党全国大会が開かれ、トランプ氏が党の大統領候補に正式決定されました。「ラボのZ世代が懸念するように、共和党とトランプ氏が大躍進するのでしょうか。そして、民主党とバイデン氏はそれにどう立ち向かうのか？ NY Future Labでは今後も刻々と変わる政治状況とともに、日本ではなかなか聞けないアメリカの若者の視点、本音お伝えしていきます」とシェリーは話し、話題を締めくくりました。 （interfm「NY Future Lab」2024年7月17日（水）放送より）