朝ドラ「おちょやん」杉咲花 「とと姉ちゃん」から約4年、ヒロインどう演じるか
杉咲花がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「おちょやん」が30日いよいよスタートする。杉咲演じる竹井千代は大阪府南河内郡出身の上方女優・浪花千栄子がモデル。幼い頃から女中奉公に出されるなど貧しい生活を乗り越えて上方を代表する女優となり、「大阪のお母さん」とまで呼ばれ親しまれた。「おちょやん」とは、茶屋などで働く「小さい女中さん」を表す「おちょぼさん」がなまった大阪ことば。杉咲がどう演じるか、期待が高まる。
大きなステップアップとなった2016年
杉咲は味の素「Cook Do」のCMで山口智充と共演、食べっぷりのいい美少女として話題になった。女優としては2013年、鈴木京香主演のドラマ「夜行観覧車」(TBS系)で家庭内暴力に荒れる娘・彩花役を好演。その後、ドラマや映画の出演が続き着実にキャリアを積み重ねた。 そして2016年は杉咲にとって、大きなステップアップの年となった。NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」では高畑充希が演じるヒロインの妹・美子役を好演、全国的に大きな注目を浴びた。また、映画「湯を沸かすほどの熱い愛」では銭湯を営む一家の娘・安澄役を演じ、日本アカデミー賞はじめ各映画賞の助演女優賞に輝く。以後も順調に数々の作品に出演。2018年には「花のち晴れ~花男 Next Season~」(TBS系)の江戸川音役で民放連ドラの主演を務め、平野紫耀(King & Prince)、中川大志、濱田龍臣、飯豊まりえら華やかなキャストが揃う中、髪の毛を30センチもカットして臨んだ情熱と演技力で作品を引っ張った。昨年はNHK大河ドラマ「いだてん~オリムピック噺~」出演、「ハケン占い師アタル」(テレビ朝日系)で主演などコンスタントに出演作があり、それぞれの作品で確かな存在感を残している。
演技はもとよりチャーミングさと力強さ兼ね備える
そんな杉咲に「おちょやん」のヒロインのオファーがあったのは昨年8月。ヒロイン発表会見で同ドラマの櫻井壮一制作統括は、杉咲起用の理由を次のように説明。 「企画が決まってこのドラマが女優さんの話であるということで、ヒロインをやっていただく方の演技力というものが非常に大事と考えておりました。大正から昭和、戦前、戦中、戦後という長い期間を描くドラマをやっていただくにふさわしいのは誰かと考えていく中で、杉咲さんのイメージが固まってきたという感じです」 演技力は言うまでもなく、チャーミングさと力強さを兼ね備えた器用な女優との印象を持っていると話した。 杉咲は東京出身のため、大阪弁の稽古に取り組んで撮影に臨んだという。NHKの連続テレビ小説としては103作目にあたる作品。「とと姉ちゃん」からの4年間で、一層女優として確立されてきたタイミングでいよいよ朝ドラヒロイン。大いに期待したい。 (文:志和浩司) ■杉咲花(すぎさき・はな) 1997年10月2日、東京都出身。 もともと芸能界に興味があり、中学生になって女優になりたいという気持ちがあらためて募り、憧れていた志田未来が所属する研音のオーディションに応募した。2011年4月、研音に所属。2013年1月から放送されたドラマ「夜行観覧車」(TBS系)の演技が高く評価される。2014年、日経トレンディ主催「2015年の顔」に選出。2016年、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」でヒロインの妹役を演じ全国的に知名度がアップ。映画「湯を沸かすほどの熱い愛」では多数の映画賞の助演女優賞を獲得した。2018年4月から放送のドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」(TBS系)で連続ドラマ初主演。同年10月公開「パーフェクトワールド 君といる奇跡」で映画初主演を飾る。2018年9月、レギュラーラジオパーソナリティを務める「杉咲花のFlower TOKYO」の放送スタート。2019年「いだてん~東京オリムピック噺~」でNHK大河ドラマ初出演を果たす。2020年NHK連続テレビ小説「おちょやん」で朝ドラヒロインを務める。