恒例「今年の漢字」は? 2024年 年の瀬にあたり
ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム「報道部畑中デスクの独り言」【第396回】 2024年も押し詰まってきました。今年は元日に能登半島地震、2日には羽田空港での航空機衝突事故と、波乱の幕開けでしたが、まもなく1年。つい最近のように思い出されます。
そんな中、1年の世相を表す「今年の漢字」が12月12日、日本漢字能力検定協会から発表されました。その文字は「金(きん)」。3年ぶりの選出で、2000年、2012年、2016年、2021年に続いて5回目となります。このところ、五輪開催の年に選ばれるのが定着した感があります。五輪の金メダルラッシュが国民に印象に残ったということになりますが、今回は加えて、大谷翔平選手の値千「金」の活躍、佐渡「金」山の世界遺産登録、20年ぶりの新紙幣発行もその理由とされています。 一方で、政治家の裏「金」問題、「闇バイト」による「金」目当ての強盗事件、物価高騰と、いわば「影」の部分も目立ちました。毎年揮毫する清水寺の森清範貫主も「金」は書き飽きているかもしれません。ちなみに2位以下は「災」「翔」「震」「新」「選」「変」「暑」「楽」「米」と続きました。 一方、政財界の要人からの“一文字”が出そろいました。 石破茂首相は「謙(けん)」を挙げました。「卑下とは違う。本当に謙虚にひたすら己をむなしくして、いろんな方の意見を素直に承る。今年特に後半、この言葉をかみしめながら過ごしている」と述べました(ちなみに「謙」は「おんなへん」ではなく「ごんべん」です)。「金」については「いろんなことがあった1年だった、“金”にいろんなことが凝縮されている、良くも悪しくも今年を象徴する言葉だった」と振り返った上で、その理由の一つとなった裏金問題については「政治を象徴する言葉になったのは残念なこと」と語りました。
財界では……、経団連の十倉雅和会長は「論(ろん)」と「分(ぶん)」で迷った上で、「論」としました。 「今年は世論が大きく揺れた。真実かどうか判断に苦しむほどの情報が出てきた。フィルター・バブルという言葉のように、見たいものしか見ない時代、そういう時に必要なのはディベート=討論であり、議論である」……その理由を説明した上で、「日本中で実りある議論を期待したい」と結びました。ちなみに“次点”となった「分」は、対立と分断、成長と分配、分厚い中間層、デフレ脱却の分水嶺などがその理由ですが、暗いイメージになることから「却下」となったようです。