岩谷翔吾『選択』で作家デビューへ!親友・横浜流星との絆から生まれた作品
THE RAMPAGEのパフォーマーである岩谷翔吾さんが初の書き下ろし小説で作家デビューを果たす。「誰よりも繊細だからこそ、自分のなかに収まりきらずに出た衝動」だと語る作品は、哀しく愛おしいヒューマンドラマだ。作家として伝えたい想い、そして書き上げるまでの日々を振り返る。
4年の歳月をかけて完成した、ふたりの魂の一冊
書きはじめたのは4年前。同級生であり親友の横浜流星さんと“友達ノリ”でスタートを切った『選択』。初めてのことばかりで長く孤独な道のりでも、そこに光を射してくれたのは原案である横浜さんの存在だったという。 「流星の背中を押してやりたい」そんな想いを抱えながら、文字にする日々。ついには「書きながら自分自身の背中も押された」と話す作品は、閉塞感漂う現代を生きるふたりの青年の物語だ。日々を懸命に生き抜いてきたふたりは、やがて、どんよりした巨大な社会に飲み込まれていく――。読み終えた後、ふたりが直面した非情な現実、そしてその先に見えたものを、あなたはどう感じるだろうか。
岩谷翔吾にインタビュー!
――作家デビューを目前に控えた、今の率直なお気持ちをお聞かせください。 “作家デビュー”なんてカッコつけてますが、実は(刷り上がってきた)見本誌を見て初めて実感が湧きました(笑)。『選択』という作品を機に、自分の人生の第二章というか、リブランディングというか、岩谷翔吾として大きく成長できるなと思っています。 ――メンバーのなかですでに読まれた方はいらっしゃいますか? 発売されたら各々に渡したいと思っているんですが、やましょー(山本彰吾)さんだけはゲラの段階から渡していました。やましょーさんとは週5でご飯に行く仲ですし(笑)、この世界観が好きそうだと思ったんです。彼は面白い観点で物事を見る人なので、この『選択』をどう読むんだろう、と思って渡しました。読後、めちゃくちゃ長文で感想をくれて嬉しかったですね。 あとは、THE RAMPAGEではないんですが、EXILE/FANTASTICSの佐藤大樹さんにもゲラを渡したら、登場人物の相関図を書いたりマーカーを引いたりしてすごく読み込んでくれて、「こういうふうに届くんだな」「この世界観はちゃんと伝わっているんだな」と感じました。 ――帯の推能文は『風が強く吹いている』や『舟を編む』で知られる小説家の三浦しをんさんですが、交流があったのでしょうか。 しをんさんとは、4年以上前からご縁があって本当にお世話になっています。細々と書き溜めた、情けないぐらい中身のない日記の延長線上みたいな僕の文章を、「しをんさん! 読んでください!」ってお送りしたところ、「心が表れていて、面白かった」って言ってくださったんです。そこから事あるごとに連絡をとらせていただいていて、この『選択』もプロット段階から相談させてもらったり、小説の“いろは”を学びました。しをんさんがいらっしゃらなかったら、完成できなかったと思います。 ――まるで師弟関係ですね。そして本作の原案は、俳優として話題作に次々に出演している横浜流星さん。4年の歳月をかけて書き上げたとお伺いしましたが、横浜さんとの関係も含めて、書き始めたきっかけを教えてください。 流星は高校の同級生で10年来の親友なんです。今や国民的俳優ですが、そのステップに行くまでの数年間を近くで見ていたんです。いろんな役を演じてきた流星ですが、ふと「どの役が楽しかった?」「どういう役をやりたいの?」って軽く聞いたら「実はさ…」って流星が話しだして、「じゃあ俺書くわ!」って、友達同士のノリがスタートなんです。だから肩肘張って「書くぞ!」っていうよりかは、流星と喋りながら「こうしたらもっと良くない?」「それめっちゃ面白いじゃん」「じゃあこういう役やセリフを足してみる?」ってアイデアを話すなかでカタチになりました。