“ロシア最強3人娘”出場除外で世界選手権の金メダル候補に坂本花織が急浮上…ロシアメディアが嫌味と反論を込めてV予想
日本は北京五輪に出場した坂本、5位に入賞した樋口新葉(21、明大)、23位に終わった河辺愛菜(17、木下アカデミー)の3人が引き続き出場予定だが、4回転、3回転アクセルを持たないが、ジャンプの安定性と、流れるようなスケーティング技術が生む高い表現力と作品の完成度が評価されて演技構成点も確実に積み上げてくる坂本が“大本命”だろう。 また北京五輪で、浅田真央氏以来、史上5人目となる3回転アクセルを成功させた樋口が対抗馬。大きなミスがなければ、2人がV争いしそうだ。 そこに割って入りそうなのが、浜田美栄コーチが指導していて、北京五輪では3回転アクセルに挑みFSでは回転不足の判定だったが認定は受けて6位に食い込んだ韓国のユ・ヨン(17)、同じく3回転アクセルを武器として持ち北京五輪では7位に続いた米国のアリサ・リウ(16)らだろう。 その坂本の世界選手権での金メダルの可能性について報じたのは、意外にもロシアのメディアだった。今回のISUの決定を受けて、ロシアメディア「スポーツ24」は、「坂本が金メダルを獲得できるか?」という見出しを取った記事を掲載したのだ。 同メディアは、今回のISUの決定を「大胆なことをした。世界のフィギュアスケートは危機に直面している」と批判的にとらえ、世界のフィギュア界が、ロシア、アメリカ、日本の3か国で成り立っていることを伝えた上で、「ロシア人が世界選手権に出場できないことで、我が国だけでなく世界中の観客の関心が大幅に低下していると自信を持って言える」とネガティブな見方を伝えた。 痛めた右足首の回復が思わしくなく欠場を決めた羽生結弦(27、ANA)をわざわざ例に出して、「伝統的に五輪後の世界選手権は有力選手が休養にあてることが多く、魅力的な大会でないことを忘れないで欲しい」との嫌味な見解を伝え、「ロシアのスポーツがなければ、世界のスポーツの発展は不可能であることを誰もが理解しています」というロシアのスポーツ大臣オレグ・マティツィンの反論談話を紹介した。 ロシアメディアが国際大会からの“締め出し”に真っ向反対の論調を張るのは理解できるが、“ロシア最強3人娘”が不在となった大会の展望については「ロシア勢がいない中で世界チャンピオンになる可能性が最も現実的な坂本はラッキーだ」と坂本のV予想をした。 また同メディアは世界選手権でのペアについても、「(北京五輪の金メダリストの)スイ・ウェンジン/ハン・ツォン組(中国)が出場するかどうかは不明だが、1位と2位のポイント差は記録的なものになる。世界選手権での優勝者のポイントは現在の審査システムが導入されてから最低のものになる可能性がある」と予想した。北京五輪の銀メダル、銅メダル、4位のすべてがロシアペア。上位を独占しているロシア勢が抜ける影響を皮肉をこめて伝えた。