26年W杯出場濃厚「サッカー日本代表」次の課題、1年の準備期間にどこまで選手強化進められるか
分断・多極化する世界で、新しい視界を開くことができるか。日本が向かうべき道とは――。『週刊東洋経済』2024年12月28日・2025年1月4日合併特大号の第1特集は「2025年大予測」だ。株式・マネーから日本の政治経済、世界情勢、産業・企業動向、そしてスポーツ・エンタメまで。2025年の注目テーマを徹底解説する。 サッカー日本代表の2024年を表現すると「雨のち快晴」といえるだろう。 2023年は、FIFAワールドカップ(W杯)2次予選を含む国際試合で、8勝1分1敗の好成績を記録。とくにアウェーでドイツとトルコから4点を奪った試合は、日本代表の森保一監督の掲げる「W杯優勝」という言葉が現実味を帯びたと感じる試合だった。
しかし、2024年1月に開催されたAFCアジアカップでは、3大会ぶり5度目の優勝が期待されたが、グループリーグでイラクに敗れ、準々決勝ではイランに1-2で逆転負けしベスト8に終わった。ピッチ外の理由で主力選手が離脱したことに加え、シーズン真っただ中にクラブを離れてきた欧州組、Jリーグ開幕直前に参加した国内組、共に熱量を持って大会に参加できる開催時期でもなかった。 ■W杯出場は通過点 この結果で暗雲が垂れ込めたかに見えたが、W杯予選が再開されると日本代表は勢いを取り戻した。2次予選を6勝全勝、得点24、無失点で駆け抜けると、最終予選でも初戦の中国戦で7-0、続くバーレーン戦も5-0で圧勝。オーストラリアとは引き分けたものの、5勝1分でグループCを独走している。
2025年3月20日にホームで行われるバーレーン戦に勝てば、3試合を残して8大会連続のW杯出場が決まる。 W杯優勝を目標に掲げる日本にとって、出場決定は通過点にすぎないが、3月に出場を決めることで、本番まで1年3カ月の準備期間が生まれる。三笘薫、久保建英、鎌田大地、伊東純也、南野拓実、堂安律など豊富なタレントを抱える中盤の組み合わせなど、完成度を高めるべき課題は多い。 また、新戦力の発掘も重要なテーマだ。とくに遠藤航、守田英正の絶対的ボランチコンビのバックアップは急務といえる。FW陣では上田綺世、小川航基らが得点を重ねているが、さらなる戦力の充実が求められる。