なぜ井岡一翔は元4階級制覇王者ニエテスとのリベンジ戦に「必ず勝つ」と断言できるのか…第二子誕生予定と名トレーナーの来日
日本人初の4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(33、志成)が4日、リモートで同級1位で元4階級制覇王者、ドニー・ニエテス(40、フィリピン)との5度目の防衛戦(13日・大田区総合体育館)へ向けた公開練習を行った。キャリア2敗のうちの1敗を喫した相手とのリベンジ戦に加え、7月22日に第二子が誕生予定とあってモチベーションはアップ。さらに師事するイスマエル・サラストレーナー(65)の来日も決まり、ニエテスに雪辱を果たす環境は万全に整った。
「第二子の生まれてくる瞬間をチャンピオンとして見守ってあげたい」
夏らしく髪の毛を切った。ここ数試合、勝負ヘアスタイルとなっていたコーンロウは結えないが、これがリベンジバージョンか。 2018年の大晦日にマカオで1-2の僅差判定で敗れ、煮え湯を飲まされたニエテスとの再戦が指名試合という形で巡ってきた。そのゴングまであと9日。同門の元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾、角海老の飯村樹輝弥らと100ラウンド以上に及ぶスパーリングを消化してきた。公開練習は、準備運動とシャドーだけだったから、これだけをリモートで見て調子の良し悪しを判断するほどの眼力は、筆者にはないが、本人の言葉は、自信に満ち溢れていた。 「5度目の防衛戦に向けて、かなりいい状態に仕上がっている。いい準備ができた。相手のことより自分がやるべきことを考えて連日、練習してきた。あとは、ここまでやってきたことを試合のパフォーマンスに変えて出し切るだけ」 負けられない理由がひとつ増えた。TBS系「バース・デイ」の番組内で明かされたが、恵美夫人が、第二子を妊娠。超音波映像では、長男の磨永翔くんの弟となる男の子で試合から9日後の22日が予定日だという。 「かなり気合が入るし、予定日が楽しみ。僕も自分の役割を果たして結果を出して生まれてくる瞬間をチャンピオンとして見守ってあげたい」 家族の存在は、いつも井岡の支えであり、戦う理由のかなりのウエイトを占める。その家族が1人増えるのだ。本来ならば、年末に流れたIBF世界同級王者ジェルウィン・アンカハス(30、フィリピン)との統一戦の予定だったが、アンカハスがフェルナンド・マルティネス(30、アルゼンチン)に判定で敗れてまさかの王座陥落。念願の統一戦はお流れとなり、指名試合を受けねばならなくなった。井岡のモチベーションは揺れる状況ではあったが、まだ見ぬ第二子が、夫人のお腹の中から、そのモチベーションを立て直してくれることになった。これもまた運命なのかもしれない。