今日ゴング!最強挑戦者と再戦の井岡一翔は本当に勝てるのか…前日計量で40グラムオーバー”凡ミス”をパンツ脱がずにパス
ボクシングWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ(13日・大田区総合体育館)の前日計量、公式会見が都内の品川プリンスホテルで行われ、王者の井岡一翔(33、志成)が1度目の計量でリミットの52.1キロから40グラムオーバーするハプニングがあった。自宅の体重計の誤差と計量前にトイレへ行く、行かないの選択ミスが招いた王者らしからぬ“エラー”。トイレを済ませ5分後にクリアした。一方、挑戦者の元世界4階級制覇王者で同級1位ドニー・ニエテス(40、フィリピン)はリミットより200グラムアンダーでパスした。井岡にとっては2018年の大晦日の同王座決定戦で僅差の判定負けをして以来の再戦。最強挑戦者を迎え、激戦が予想されるが、「すべてで上回り借りを返す」と闘志を燃やす。互いに勝てば、次戦の狙いは王座統一戦。ビッグマッチへのサバイバルを制するのはどっちだ。
「必ずリベンジするという強い気持ちで挑む」
プライド高き王者にまさかのハプニングがあった。最初の計量で40グラムオーバー。ネックレスをとったが変わらなかった。約50グラムと言われているパンツを脱げば、スンナリとクリアすると考えられたため、局部を隠すためのタオルも用意されたが、計量がライブ配信されていることもあり。井岡は、その“最終手段”は取らずに、そそくさと靴下、服を着直してトイレへと移動した。 「家のデジタル体重計の誤差。最初にトイレに行っておけば良かったんだけど、行かずに(秤に)乗ったので」 減量に苦労したわけではない。井岡らしからぬ凡ミス。5分でトイレから戻ってきた井岡は難なくクリアして1本指をたてた。 「待たせたニエテス選手には申し訳ない」 こういう一言が出るのが4階級制覇王者の人格。ニエテスも「1度目のオーバーはなんとも思わなかった。ちょっとお腹が減ったけどね」と紳士的に応じて笑わせた。 指名試合の相手としてWBOが指令してきたニエテスとは3年7か月ぶりの再戦である。大晦日のマカオ決戦で1-2の僅差判定で敗れた。井岡が30戦のプロキャリアに残した2つの黒星のうちのひとつが、この悔しい敗戦だ。 「いい準備はできた。一度負けているニエテスとの指名試合。より気が引き締まったし負けるわけにはいかない、必ずリベンジするという強い気持ちで挑む。統一戦をやりたかったが、新型コロナで流れて、この試合。終止符、ケジメをつけて次のステップにいかないといけないと思う。前回チームとして負けを受け入れたわけではない。借りを返して自分たちが望むステージへ進みたい」 井岡は会見で改めて、この試合の位置づけを説明した。 一方のニエテスも、6月7日にWBC世界バンタム級王者のノニト・ドネア(フィリピン)がWBAスーパー、IBF世界同級王者の井上尚弥(大橋)に倒されて王座から陥落、フィリピン人世界王者不在の空白期間を埋めねばならない使命を負っている。 「いつでもチャンピオンに返り咲く準備はできている。日本、母国で応援してくれているすべてのフィリピン人のために戦う」 4階級制覇王者同士の戦い。2人は、この試合の次にビッグマッチを見据える。井岡は、昨年大晦日に一度は、当時のIBF同級王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との統一戦が決まっていたが、オミクロン株による入国制限で白紙に戻った。互いに1試合を挟み、この時期に再度実現するプランになっていたが、その絶対王者が、2月に同級11位のフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)にまさかの敗戦。アンカハスの勝利を条件に内定していた統一戦はご破算となったが、8月に両者が再戦する予定が組まれており、その勝者のIBF王者との統一戦に照準を絞る。 一方のニエテスも、世界的に勢いのある大手プロモーター「プロべラム」の交渉力をバックに「チョコレイト(ロマゴン)、エストラーダと統一戦をやりたい」と、元4階級制覇王者でかつてパウンド・フォー・パウンド1位になったこともある日本でもお馴染みのローマン・ゴンサレス(ニカラグア)と、WBCフランチャイズ、WBA同級スーパー王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)の名前をあげた。ロマゴンに関しては、井岡も視野に入れており、アンカハスとマルティネスの再戦がうまく進まなければ、方向転換もありうるという。