「50ccで二人乗り仕様ってアリなん!?」海外向けホンダ・希少車カタロググラフィティ【1970年代編】
【HONDA CB50SUPER SPORTS】海外でも売られた(驚!)二人乗り仕様のCB50
当モーサイウェブ編集部、モーターサイクリスト編集部のある八重洲出版の同じフロアには、過去にバイクメーカーが発行したカタログやプレスリリースなどが保管されている資料室がある。そんな部屋の引き出しやファイルには、名車と称される人気クラシックモデルのほかに、聞いたこともないようなモデルの希少なカタログが眠っていたりする。今回はそんな埋もれたモデルの希少カタログをご紹介しよう。今回は1970年代と思しきホンダの海外向けモデル編だ。 【画像9点】こんなバイクあったん?ホンダの希少バイクカタログを見る! バイク業界に不況の声が聞こえるようになって以降、よく言われる問題のひとつに、日本主体の50ccをやめて世界基準の125ccを公道用の入門排気量にするのはどうかというものがあった。そして現在、最高出力を抑えた125ccモデルを原付免許で乗れるようにする「新基準原付」が生まれようとしている。今も生き残っている純粋な50ccモデルも、この先徐々に消えていくことだろう。 そんなことを考えながら引き出しを探っていたら、妙な輸出向けカタログが見つかった。おそらく欧州向けのCB50で、どうやらかの地にも15歳とか16歳で乗れる50ccの需要があったようだ。ただし、オートマチックのスクーターのほうが圧倒的に速いから、ギヤ付きの4サイクル50ccはそんなに普及しなかったのではなかろうか。 タンクのストライプ、フロントの機械式ディスクブレーキとセリアーニタイプのフォークなどの仕様から見るに、国内のCB50JX-1と同系で、76年から80年ごろまで生産されたタイプと思われるが、国内モノと明らかに違うのがダブルシート、タンデムステップの装備だ。 要はふたり乗りできるのだ。筆者の最初の愛車はこの後継となるCB50Sだが、ひとりで乗っても上り坂での非力感は印象深かった。しかるにドイツなどの190cm級のむくつけき大男がたとえばふたり乗りをし、これでアルプス越えをしようなんてことになれば……、きっと足をバタバタさせて上ることになるに違いない。 【CB50 SUPER SPORTS主要諸元】 ■エンジン 空冷4サイクル単気筒OHC2バルブ ボア・ストローク42×35.6mm 排気量49cc 圧縮比9.5 始動方式キック ■性能 最高出力6.3bhp/1万500rpm 最大トルク─ ■変速機 5段リターン ■寸法・重量 全長1795 全幅665 全高950 軸距1175 シート高770(各mm) 乾燥重量87kg タイヤサイズFR2.75-17 ■容量 燃料タンク8.5L ■価格 ──(日本未導入モデル)