トレーニングの巨匠・岡田隆教授に聞いた、トレーニーに必要な8つの心得
心得①|アンテナを目一杯張りつつ、得た情報を取捨選択できるリテラシーがある
ネットでトレーニングに関する情報はいくらでも得られるが、そこから自分に合う情報を選ぶリテラシーを持つべき。「何事も鵜呑みにせず、誰がどういう目的で発信している情報なのかを検証してから取り入れましょう」。
心得②|自分のカラダを実験台にして、真実を突き止める余裕を持つ
何事にもエビデンス(科学的な証拠)が求められる時代で、他人で確かめた客観的なそれは標準治療であり重要だが、自らのカラダで試しながら効く・効かないを主観的に判断するのも正解。その過程を楽しむ余裕を持とう。
心得③|肉体は速攻で変わらないという“筋肉憲法”を遵守する
ダイエットもトレーニングも成果が出るまで時間がかかるという事実は“憲法”のようなもの。「速攻で効果的という怪しげな方法に走るのは憲法違反。ボディメイクはマラソン。最低2か月は地道に鍛え続ける覚悟で」。
心得④|義務にしないために、小さな努力目標をつねに立てる
トレーニングを習慣化するにはルーティン化が大切。でも、それが単なる義務になると重荷になる。義務にしないため、「今月は背中を強化しよう」とか「大胸筋の輪郭を出そう」といった自分なりの目標を立てて臨む。
心得⑤|盛り盛りのSNSの情報に、踊らされない
SNSに日々アップされ続けているナイスボディは、マウントを取るために奇跡の一枚を加工アプリで盛りに盛ったもの。それを見て凹む必要はない。加工できないリアルな肉体をコツコツと自分なりに作っていけばいい。
心得⑥|隣の芝生はつねに青い。自分には自分の最高がある。他人と比べない
ボディビルで重視されるのはその人の骨格に応じた筋肉バランス。大胸筋だけデカい、腹筋だけ割れているヤツが評価されるわけではない。最終目標は自分史上最高ボディ。年齢も体質も違う他人と比べる必要はない。
心得⑦|肉体を必要以上に見せびらかさない。オラオラしない
「見せびらかすために鍛えたくなる気持ちもわかりますが、筋肉で他人を威圧するような態度はグッドトレーニーの御法度」。筋肉を披露するのはコンテストの場だけで十分。日常生活で肉体美をアピールするのは控えて。
心得⑧|自分なりの“筋トレ道”を追求してみる
柔道選手だった岡田先生が、海外のボディビル大会で「礼に始まり、礼に終わる」を実践すると、周囲からリスペクトされたとか。柔道のような“道”は筋トレにはないが、ジムでの所作や立ち居振る舞いにも礼節を。
取材・文/井上健二(初出『Tarzan』No.872・2024年1月25日発売)