強迫症ってなに? 「手を洗い続ける、何かが心配で確認行動が止まらない」心理の正体
WHYよりHOWで考える
患者さんはよく「なぜこんな病気になったんでしょう」と尋ねます。私はそんなとき「WHYではなく HOWで考えましょう」と答えます。 「なぜ」と考え始めると「もしかしたらこのせいかもしれないし、あのせいかもしれない」と、考えが止まらなくなります。考えれば考えるほど「どうしてこんなふうになってしまったのだろう」と、気分が滅入ってしまいます。原因はわかっていないので考えても正解にはたどり着きません。気分が落ち込むために考えているようなものです。 なぜこんな病気になったのかと自問するよりも、「HOW=どうすれば治せるのか」と自問したほうが良いと思います。「ここで手を洗わなければいいんだ」「ここの確認はしないようにしよう」「追求しない」「じっと見ない」など答えが見えてきます。後は実行するだけで落ち込むことも無くなります。
野間利昌 (監修)(精神科医。セレーナメンタルクリニック院長)