建設業が生き残るための「2つ」の施策とは

　では、今後どうやって建設業者は生き残っていくべきなのでしょうか。現状でクリアできることは2つあると感じています。1つ目は、「事務効率の上昇」です。これは、システムの導入を含め、事務作業をより効率的に進める取り組みを行うことが重要です。 　事務作業を経営層が行っている企業の場合は、業務効率化を進めることでより経営に関する時間に割くことができるようになります。また、事務員が行っている場合でも、効率化した時間を現場の書類作成などに活用することで、現場で働く従業員の負担を軽減し、本来の業務に専念できるようになります。これにより、企業全体の業務効率化が実現できるでしょう。 　2つ目は、「現場作業の効率化」です。これは、従業員の能力向上、チームワークの強化、施工管理能力の向上、効率的な設備の導入が考えられます。企業によって課題は異なると思いますが、日常的な従業員教育が非常に重要です。 　現場は、人の手によって作り上げれているため、個々の能力が高ければ、工事の早期完了にもつながります。適材適所の人員配置や、個々が能力を発揮しやすい環境を整えることも必要です。 　このように、企業としての風土づくりも肝心となります。遠回りに見えるかもしれませんが、実は、働き方改革を達成するために普段から取り組めることは多くあるのです。 　週休2日制の導入は、建設業において労働環境の改善と効率化を実現する有効な手段であり、働き方改革の一環として強制的に取り組めるチャンスです。工期の遅れやコスト増加などの課題に直面することもありますが、従業員の健康維持や満足度向上のためには必要不可欠です。 　労働基準法や労働安全衛生法に基づく適正な労働時間管理は、結果として、人手不足と言われている建設業界において企業の持続的成長と競争力向上につながるのではないでしょうか。