日本人の眠りにくさの原因は<照明>にあった?熟睡できる工夫を専門家が伝授。「人はあの光景に近い色を認識すると眠くなり…」
厚生労働省が公表した「令和4年 国民健康・栄養調査」によると、1日の平均睡眠時間は、6時間以上7時間未満の割合が最も高いそう。そのようななか、上級睡眠健康指導士・角谷リョウさんは「睡眠不調を招くのは、日本人であるがゆえだったり、日本が睡眠にあまりにも適さない環境にさらされていることだったりが大きな原因」と語っています。そこで今回は、角谷さんの著書『超熟睡トレーニング: 15万人の“日本人”のデータを集め、睡眠改善をしてきた「上級睡眠健康指導士」だけが知っている』から一部引用、再編集してお届けします。 【グラフ】「光の明るさ・照射時間」と「メラトニンの量」の関係 * * * * * * * ◆日本の一般的な照明器具だと、目が覚めてしまう スムーズな入眠には、寝室を眠りやすい場所にする工夫も欠かせません。 そこで寝室の刺激を減らして、眠るのに最適な場所に作り変える方法を紹介していきましょう。 眠りを妨げる大きな要因に光があります。 そこでまずは光を制御するため、電灯の明るさを下げる工夫をします。 下の図を見ていただくとおわかりのように、200ルクスの明るさだと睡眠ホルモンであるメラトニンが抑制されることはほとんどありませんが、500ルクスだと、1時間浴びるだけでメラトニン分泌が6割ぐらいにまで抑制されてしまうというデータがあります。
◆明るさを下げることが大切 ここで重要なのが、500ルクスという明るさです。 実はこれがJIS(日本産業規格。日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格)による勉強や読書での照度最低基準とされていて、手芸や裁縫では750ルクスを最低基準としているのです。 だから普通に暮らして、日本の標準の光を使っていたら、それだけでメラトニンが抑制されて眠りにくくなってしまうというわけです。 そこで、明るさを下げることが大切となります。 今、多段階で明るさを調整できる照明が増えていますよね。その機能を使って少し照明を落とすだけで、夜の眠りやすさが格段に違ってきます。
【関連記事】
- <睡眠は深ければいい><睡眠時間は長ければいい>かというと実は…15万人の睡眠を改善した専門家が最新調査を解説
- 人類史上で最も長生きした女性が「1週間に1キロ食べた」好物とは…医師「疲れ知らずの体をつくるのに食事の変革は必須」【2024年上半期BEST】
- 「老けない肉ベスト10」は?脂質の高い肉は「老ける」「太る」の原因に。寿命を延ばすには「高タンパク質な肉」を【2024年上半期BEST】
- 老後のひとり暮らしに立ちはだかる<5つの壁>とは。自由なおひとりさま生活が抱える「心と体」両面のリスクを考える【2024年上半期BEST】
- 階段の上りと下り、実は筋トレ効果が高いのは…筋肉先生・谷本道哉「階段を避けてエスカレーターに行列、なんて本当にもったいない!」【2024年上半期BEST】