イオンの衣料品バイヤーから「ニナ リッチ」へ 異色の経歴のデザイナーが作る“かわいくてアバンギャルド”な「オムナ」の服
イオンの衣料品バイヤーからデザイナーに
加藤デザイナーは一風変わった経歴の持ち主だ。早稲田大学で心理学と社会学を学んだのち、イオングループの中核会社であるイオンリテールに入社。ウィメンズ服とメンズ服のバイヤーを務める中で服作りに携わりたいという思いが高まり、4年で退職した。その後、服飾専門学校エスモードに入学すると、在学中に「第45回神戸ファッションコンテスト」で特選を受賞し、パリ留学の切符を手に入れる。「ニナ リッチ」で2年のデザイナー経験を経て、「オムナ」を立ち上げた。
「イオンでは機能性を重視する男性と、デザイン性を重視する女性の顧客心理を学び、『ニナ リッチ』では「フルー(flou=女性服)」と「テイラー(taileur=男性服)」の両方を手掛けるチームで経験を積んだ」という加藤デザイナー。「オムナ」の主軸であるジャケットやシャツ、パンツといった硬派なテーラードアイテムと、どこか遊び心を感じさせるデザインは、そういった彼のキャリアの紆余曲折を映し出している。僕は、ルールの多いメンズ服も好きだけど、パッと見て胸がときめくデザインも大事にしたい。愛らしさと機能性を両立できたら」。
34歳とデザイナーとしては遅咲きのスタートだが、その分豊富な経験を生かした服作りに期待したい。