「庭は南向きに」はもう古い!?家を建てる前に知っておきたい「庭づくりのQ&A11」。建築家と造園家が素朴な疑問に答える
住まいに庭やグリーンを取り入れたいと思いながらも、敷地の大きさ、プラン、コスト、メインテナンスなど疑問や不安をおもちの方も多いのでは? そこで今回、家づくり・庭づくりの構想段階で聞いておきたい11の質問をピックアップ。6人の建築家と1人の造園家にそれぞれの最適解を聞きました。 【写真で見る】コストは?広さは?まず誰に相談すべき?さまざまな悩みをプロが解決!
1 昨今の庭のトレンドを教えて下さい。
家で過ごす時間が長かったパンデミック期間を経て、庭やグリーンに求める機能が変化するなか、多くの回答に挙がったキーワードが“自然に近い形の庭”でした。 「つくり込まれた庭よりも自身が参加できる自然な雰囲気の庭」(建築家・前田圭介さん) 「鑑賞する庭ではなく、自然と一体になる空間が求められている」(建築家・松山将勝さん) 「雑木林のような自然な雰囲気」(建築家・小川博央さん)など多くの建築家が感じている様子。 加えて「食べられる植物を織り交ぜたエディブルガーデンなど使える庭、自分で手入れができる持続可能な庭」(造園家・荻野寿也さん)といった一歩進んだ回答も。 こうした庭は配置や動線も重要になるため、早い段階から計画することが肝心です。 「建築と庭の領域が曖昧な建物がこれからのトレンドになるのでは」(建築家・松山将勝さん)のように、構想段階から総合的に計画するほど完成度が高まることは間違いないでしょう。
2 庭づくりは、建築家、造園家など、 まずはどの専門家に相談したらよいでしょうか?
かつて庭は、造園家や庭師の領域でしたが、Q1の回答を見るとこれまでとは違ったアプローチが必要です。 荻野寿也さんからは「建物のあとに庭や外構を考えるのではなく、同時に庭を計画していくのが理想。建築家と造園家の仕事の範疇はかぶることも多いので、タッグを組むことでより完成度が上がる」という回答が。 建築家の高取愛子さんも「建築家と造園家がイメージを共有し、平面図だけでなく地面から空まで断面的に考えていくことが重要」と話します。 少し違う視点は軽井沢で別荘を多く手掛ける建築家・高橋昌宏さん。「軽井沢の植生は特殊なので庭も建築家がデザインする」とのこと。 いずれにしても「建築家に相談すればよい造園家を紹介してくれる」という建築家・谷尻誠さんの言葉にあるように、まずは相談しやすい建築家に聞いてみましょう。 もちろん、庭を多く手掛ける建築家ほど造園家とのつながりもあるので事例はよく確認してみてください。