「庭は南向きに」はもう古い!?家を建てる前に知っておきたい「庭づくりのQ&A11」。建築家と造園家が素朴な疑問に答える
6 食事や読書の場など、 居場所の1つとして庭を設ける場合、どのくらいの広さの土地が必要でしょうか?
「土地の広狭はあまり影響しないと考えています。それよりも、リビング・ダイニング・キッチンとの関係性が重要。坪庭でも大きな庭でもその考え方は同じです」(建築家・前田圭介さん)。 「狭小地であってもあきらめる必要はないと思います。1坪の庭でも豊かな暮らしを生み出すことにつながるので、リビングを少し削ってでも外部空間を創出してもいいと思うくらい」(建築家・松山将勝さん)。 「外に居場所をつくると庭とアクティブな関わり合いをもてるのが魅力。スペースが小さくても内外の中間領域が生きてくる」(建築家・高取愛子さん)と、面積よりも、どう設計するかが重要です。
7 自分好みの庭を見つけるには何を参考にしたらよいでしょうか?
「他の事例やホテルなどを参考にしてもらう」(建築家・高橋昌宏さん)、 「住宅建築などの専門誌の他、ピンタレストなどのSNS」(造園家・荻野寿也さん)いうのが最もスタンダード。 庭だけにフォーカスすると好みが出てこない場合は、「リビングやテラスを含めて考えると好みの空間が出てくることが多いので、建築と庭の両者を取り上げているメディアを参考に」(建築家・松山将勝さん)とのこと。 前田圭介さんさんからは「所在地情報が掲載されたメディアで地域ごとの植栽を参考にするのもよいと思います。あとは、ご自身で山や庭園を実際に見て、何に癒やされたか、何に心地よさを感じるのかを意識的に考えることも大切」(建築家・前田圭介さん)とアドバイス。
8 小さな敷地や低予算の場合でも、 素敵な庭・空間に見せるためにはどんな工夫がありますか?
「建築と庭がひとつながりに見えるように工夫する。例えば開口部は隠し框にして開口部の存在を消したり、床や天井の仕上げやレベルをそろえたり。 また、建築からできるだけ離して照明を設置して実面積以上の広がりを演出するなど、いくらでも方法はあります」(建築家・高取愛子さん)。 「庭を含めた効果的な居場所づくりには建築設計がとても重要。建築と庭の関係性全体で心地よい環境を考えれば素敵な庭・空間は可能です」(建築家・前田圭介さん)。 「平面的な広がりだけでなく、上部への立体的な展開を考えるといいと思います。庭というと緑をイメージしますが、空の青さも重要な要素になると思います」(建築家・小川博央さん)というように、予算や広さの制約も工夫次第!