なぜ菜七子に憧れる2人のJRA女性ジョッキーはホロ苦デビューとなったのか…師匠採点は「30点」と「40点」
全レース終了後には検量室で矢作調教師と共に反省会。進学校出身の2人はモニターでレースをチェックし”傾向と対策”を10分近く分析した。話し合いを終えた矢作調教師は、「30点だな。人に迷惑を掛けたらいけないと気を遣いすぎ。全く指示通りに乗れていない」と厳しい指摘。「もちろん、こんなもんじゃない。彼女ならもっとやれる」とハッパをかけた。 陣営では、この日の5レースの騎乗馬の全てを自厩舎で用意し、開幕ダッシュを狙っていた。コントレイルでの無敗の3冠達成、海外での数々のビッグレース制覇など海千山千の“名伯楽の矢作調教師も、「それにしても今日は疲れました。G1よりも疲れた」とグッタリ。それほど、サポートに心血を注いでいたわけだが、もちろん、今後も全面バックアップを約束する。 矢作調教師の熱意は古川にも伝わっていた。 「全然思い通りに乗れなかった。全体的に前へ行けなかったので、この反省を生かして明日以降、もっと自分に自信を持って積極的に乗りたい」 今日7日からの巻き返しを誓った。 古川は第一人者として活躍中の藤田菜七子の姿を見て「女性でもジョッキーになれるんだ」と騎手を目指した。医師の家庭に育ち、進学校に進んだが、「自分の好きな道へ」と競馬学校の門をくぐった。怪我をして左肩を手術するなどの苦難を乗り越えてのデビュー。ちなみに好きな馬は2010年のダービー馬エイシンフラッシュだそうだ。 一方の小倉では永島が2レース「3歳未勝利1800m芝」で初戦を迎えた。小倉のパドックでは、少し短めのポニーテールがヘルメットからちらっとのぞく。6番人気のフェイトリッパーとコンビを組み、好スタートから一時は2番手につける積極策。勝負所で置かれながらも最後は盛り返して4着に入った。 「すごく真面目な馬でゲートをしっかり出てくれましたし、積極的な競馬を心がけました。馬は頑張ってくれました」と永島。自身の騎乗については「まだまだコーナーをタイトに回れなかったり、細かい課題がたくさんあります」と反省しきりだった。