アメリカで「ピックルボール」大流行に納得の理由、週末の公営テニスコートは愛好家がほとんど占拠、プロ選手がいて“メジャーリーグ”も存在
ピックルボールにはプロ選手がおり、「メジャーリーグ」が存在する。試合はテレビ放映されるほど認知されている。カリフォルニア州内で行われたメジャーリーグ・ピックルボールの試合を取材すると、世界ランキング1位の女子選手、17歳のアナ・リー・ウォータースが登場し、観客席からは大歓声が飛んでいた。 「幼い頃からサッカーやテニスなどいろんなスポーツを思い切りやってきた中で、ピックルボールが自分にしっくりきた」とウォータースは話す。2017年にピックルボールを始め、12歳でプロとなり、ニュージャージー・ファイブズというプロ・チームに所属している。女子シングルス、ダブルス、そしてミックスダブルスの3カテゴリーで世界1位の成績を収めたスター選手だ。
彼女のダブルスの最初のパートナーでありコーチも務めている母親のリーさんは「娘はずっとサッカーに夢中で、私たち両親はピックルボールを彼女に強制したことは1度もない。でも、ある時、娘自身が自分の意志で、これからはピックルボールに専念したいと言い、自ら練習スケジュールも立ててきた」と言う。 スポンサーのフィラのユニフォームに身を包んだウォータースは、バックハンドの振りが速く、ショットが正確だ。ピックルボールは高齢者のスポーツだという固定観念を持っていると、トップ選手の敏捷な動きを見ると度肝を抜かれるかもしれない。
■著名人が投資対象としても注目 ピックルボールのメジャーリーグのチームのオーナーには、NBAバスケの現役選手レブロン・ジェームズや、NFLフットボールのスターだったトム・ブレイディもいる。つまり、投資対象としても注目を浴びているスポーツといえる。 2023年に、アメリカでピックルボールをプレーしたことがある人の数は4800万人を超えた。この数は前年度比35%の伸びで、いま最も成長しているスポーツなのだ。ウエアやパドル、ボールなどの関連用品で現在19億ドルの市場となっており、2033年には79億ドルを超えるとの予測がある。