アメリカで「ピックルボール」大流行に納得の理由、週末の公営テニスコートは愛好家がほとんど占拠、プロ選手がいて“メジャーリーグ”も存在
最近ではテニス経験者がピックルボールに転向するケースが多く、ダブルスでグランドスラム優勝経験のあるプロ・テニス選手のジャック・ソックも、ピックルボールのプロに転向し、ウォータースと組んでミックスダブルスに出場し優勝している。 ミシガン州在住のミシェル・バウムガードナーさんは夫と共に、ピックルボール審判員の資格を取り、全米を回ってメジャーリーグの試合の審判を行っている。テニスの審判と違い、試合中、審判はいすには座れず、日陰がない炎天下のコート脇に立ったままで、汗びっしょりだった。
「将来はピックルボールがオリンピック競技になるはずだから、その晴れ舞台でぜひ、審判をやりたい」と彼女は夢を語る。 現在、カリフォルニア州では、パームスプリングスなどの富裕層高齢者が多く住む地域にピックルボールのコートが急ピッチで作られており、「ピックルボールのコートが併設されていない不動産は、もうシニア富裕層には売れない」というジョークもあるほど、ピックルボールが主要スポーツになってきた。 2028年のロサンゼルスオリンピックでは種目として採用されなかったが、プロを目指す10代前半の若いプレーヤーたちは、正式の種目になる日が来ることを確信して、日々トレーニングに励んでいる。
長野 美穂 :ジャーナリスト