92位に転落!代官山が”住みたい街”ではなくなった理由…空きが目立つテナントには100均も!不必要なオシャレさなのに地価高騰
2024年「住みたい街ランキング」で92位まで後退
ところが最近は、代官山の街にも変化が生じ始めています。東急東横線の地下化と東京メトロ副都心線が接続されたことです。2013年3月に完成した地下化工事は代官山駅から渋谷駅までの区間を地上部の線路を撤去して地下化する大掛かりな工事でした。 線路の地下化によって東横線は東京メトロ副都心線と相互乗り入れになりました。地下深くに設置された渋谷駅は東横線の終着駅でも始発駅でもなくなり、線路は東武東上線や西武池袋線につながり埼玉方面へと伸びました。特急、通勤特急、急行、準急などの様々な看板や行先を掲げた電車が走りますが、渋谷の一つ横浜寄りにある「代官山」駅は各駅停車のみが停車する半地下の駅として生まれ変わりました。 線路が撤去された跡地には10年間の暫定利用としてログロード代官山がオープンしましたが、こうした街の変わりようによって代官山にそれまで多く存在したブティック店舗で閉店する店舗が増えてきました。アパレル業界ではファストファッションの隆盛や通販の発達によって路面店での売り上げが振るわなくなってきたことも原因のひとつでしょう。線路を撤去したために代官山のエリアが恵比寿方面と繋がったことがこれまでの狭いエリアに展開されてきた代官山の個性を希薄化させたとも受け取れます。また鉄道会社同士の相互乗り入れによって終点「渋谷」駅の一つ手前のお洒落タウンであった代官山のイメージが、東武東上線や西武池袋線ともつながったことで「人の流れ」が拡散、分散してしまい、代官山が単なる通過点の街に変質を始めているともいえます。その影響か、「住みたい街ランキング」の上位常連だった代官山も2024年ランキングではついに92位にまで後退しています。
代官山の商業店舗にも空室が目立つように
先日あるメディアから、最近代官山が衰退しているのはなぜか、との問い合わせをいただきました。そこで久しく訪れていなかった代官山に足を運んでみることにしました。 半地下の駅から改札を出て、代官山通りに出てみて驚きました。通り沿いの、以前はお洒落なブティックや雑貨店が軒を連ねていたのが、がらんどうです。特に商業店舗が入りやすい1階、2階のスペースは「For Rent」の看板が目立ちます。いったいどうしたのでしょうか、と歩みを進めるのですが道行く人も疎らです。 向かいの代官山アドレスに向かうことにしました。低層部の商業棟を覗くと、やはり空室が目立ちます。開業当時のテナントもだいぶ入れ替わっているようで、100円ショップの看板まで目にします。 八幡通り沿いもなんだか賑わいがありません。以前は多くのアパレルショップのあった裏通りも閑散とした雰囲気。旧山手通りに出て、代官山テラスから蔦屋書店のあるTサイトまでやってくるとやっと賑わいが感じられました。それにしても10年前くらいの代官山の姿とは様変わりなのです。