【沢田康文の欧州競馬リポート】C・デムーロ騎手がチャリンのオーナーと主戦騎乗契約
短期免許で来日中のクリスチャン・デムーロ騎手(32)=イタリア出身、フランス拠点が欧州競馬の新興馬主、ナーラン・ビザコフ氏と主戦騎乗契約を結んだことが先週、発表された。 11月のマイルチャンピオンシップにチャリン(5着)を遠征させたビザコフ氏は、カザフスタン出身の実業家で巨万の富を築き、2010年頃から欧州の競馬界に進出。19年にはフランス・ノルマンディー地方の牧場を取得し、〝スンベ〟のブランド名で競走馬の生産や購入などの事業を展開している。 一方、13年にイタリアからフランスに拠点を移したクリスチャンは近年、伯楽のジャン=クロード・ルジェ調教師と契約し、20年ソットサス、23年エースインパクトでの凱旋門賞2勝など大きな成功を収めていた。ところが、ルジェ師はがんで闘病中のため、ドーヴィルの自厩舎をセリ会社のアルカナ社に売却するなど、活動を縮小する動きが見られていた。 ビザコフ氏所有の他の有力馬で、今夏のモーリスドゲスト賞を6戦無敗で制したラザットは、8日の香港マイルに早速クリスチャンと初めてコンビを組んで出走。結果は9着ながら、世界の舞台でタッグが実現した。クリスチャンがどのような騎乗を見せるか、来季の欧州競馬の楽しみの一つになる。(在仏競馬記者)