【巨人】大城卓三の評価〝ストップ高〟にした堂々スピーチ ONの前での度胸に投手陣感服
この「肝っ玉」と「度胸」なら正捕手を任せられる――。13年ぶり日本一奪回を目指す巨人は来季の正捕手争いが激化。そんな中、あのONの前で堂々のスピーチを披露した大城卓三捕手(31)のチーム内評価が〝ストップ高〟に迫る勢いとなっているという。 巨人は先月30日に本拠地・東京ドームで「ジャイアンツファンフェスタ2024」を開催。90周年特別イベントとして長嶋茂雄終身名誉監督(88)と王貞治ソフトバンク会長(84)の「ON砲」がそろい踏みするなど、総勢123人のOBが登場した。 張本勲氏(84)、堀内恒夫氏(76)、原辰徳氏(66)らレジェンドが居並ぶ前で阿部慎之助監督(45)がマイクで来季の日本一奪回を宣言。すると司会者は「それでは続いて選手会長・大城選手、ごあいさつをお願いします」と促した。 静まり返ったドーム内に緊張感が漂う中、大城卓は「え~、このたびはみなさま本日は〝ファン感謝祭〟にお越しいただきありがとうございます」と「ファンフェスタ」と言うべきところで、のっけから独特の言い回し。思わずキャプテン・岡本和真内野手(28)が爆笑し、4万人超のファンで埋まったスタンドも一斉にザワついた。 それでも新選手会長は動揺することなく前を向くと「そして1年間、熱いご声援ありがとうございました。ファンのみなさんのおかげでリーグ優勝することができました。来季はリーグ連覇、そして何より日本一を目指して選手一同、頑張っていきます。来季も熱い声援よろしくお願いします。本日はまことにありがとうございました」と一気に言い切り、万雷の拍手を受けた。 この大城卓の堂々たる姿勢にはチーム内の面々も、いい意味で驚いた様子。ある中堅投手は目を白黒させながら「〝ファンフェスタ〟と言うべき部分でトチったけど、もともと引っ込み思案だった大城があのプレッシャーの中で堂々とスピーチをやり切った。FA宣言せずに複数年で残留を決めたし、ジャイアンツのリーダーとして威厳がついた」と高評価。別の若手投手も「自分だったら重圧でまともにしゃべれなかった。卓三さんの強心臓ぶりはすごい」と感心しきりだった。 口下手で人前でのスピーチとは無縁だった大城卓に責任感を与えるため、東海大先輩の菅野があえて選手会長を譲った経緯がある。 来季は大城卓(今季先発マスク34試合)、岸田(同試合)、小林(同36試合)の「三つどもえ」に加え、獲得に乗り出しているFAの甲斐拓也捕手(32=ソフトバンク)が加わる可能性もある。堂々のスピーチで投手陣の信頼もつかんだ大城卓が、現時点の正捕手レースで早々と一歩リードしたと言えるかもしれない。
坂庭健二