私が稼いだお金なのに。「君は金銭感覚がなさすぎるから」と言って夫が私の給料を全て取ってしまいます。渡されるお小遣いは「月2万」。これって普通なの?
Yさんの夫は「経済的DV」というモラハラです
Yさんの夫の心の中を紐解いてみましょう。妻の給与まで管理しようとする理由は以下になります。 ■支配的することで優越感を得る モラハラ夫は、家庭内での自分が優位に立ちたいと思っています。経済面での管理を徹底することで、妻が自分に従うと言う感覚を持ちます。「自分が家庭を掌握している」という優越感から経済面で妻を支配したがります。 ■自分以外を信じていない 妻が稼いだお金を含め、家庭のすべてのお金を「自分の管理下」に置くことで安心します。自分以外、妻でさえ信用していません。 ■夫婦のパートナーではなく支配したいと思っている パートナーとして協力するのではなく、家族は自分に従うものという考えがあります。妻の経済的な自由を奪うことで、妻を思い通りに動かそうと思っています。 ■妻の自由を奪う 妻が自由にお金を管理できないことで、経済的な自立を妨げ、夫から離れることが難しい状況を作り出します。自由なお金がなければ自分から離れていかないと信じています。
両親へのプレゼントを買うことさえ否定されて
両親の金婚式のプレゼントとして姉妹で旅行をプレゼントすることになったYさん。当然夫から渡される2万円では足りないので、「両親にプレゼントするから私の貯金から10万おろしたい」と夫に言いました。 「何言ってるの?両親にそんなことするために、自分たちの将来のために貯めている貯金を崩すのか?そんなプレゼントされても両親は喜ばないよ。適当なもの買って終わりにしなよ」 夫のその言葉を聞いたとき、これはおかしいと気がついたというYさん。「家庭を守る」と言いながら、夫はYさん自身の自由や喜びまでも奪っていることに気づいたのです。 「自分の手元に何もない、給与明細も、自分で管理していたはずの通帳も、すべて夫が握っている。私は、自分が働いたお金の使い道すら決められない状況にいるのだと痛感しました」 本記事では、経済DVの実情についてお伝えしました。 続く後編では、どうしてYさんが経済DVを受け入れてしまったのか、そして経済DVのような状況に陥ったとき、そこから抜け出すにはどうしたらよいのかということについてお話します。
夫婦問題・モラハラカウンセラー 麻野祐香