田村セツコ・86歳 意地悪な人とのつきあいって逃げ切れるものじゃない…どうしても嫌いな人は「どうすると嫌われるか」というモデルにしよう
厚生労働省が公開する資料「健康寿命の令和元年値について」によると、日本の令和元年における健康寿命は、男性が72.68歳、女性が75.38歳だそうです。そのようななか、もうすぐ86歳で、現役イラストレーターとして活躍する田村セツコさんの健康法が話題になっています。そのセツコさん「優しい人とばかりつきあっていると、対人関係の免疫力が落ちるっていう話があるんですよ」と言っていて――。 「家族に問題が起きたら、こんなことになっちゃいました神様、っていうふうに、日常的に神様とお話しするんです」と話す田村さん * * * * * * * ◆ストレスを消す人間関係トレーニング 人づきあいがストレスになる人が、すごく多いじゃない? 女の人なんか、お話ししてみると、たいてい対人関係で、ボシャボシャしてるんです。 けれど、ヘンテコなお友だちとか、意地悪な人とのつきあいって、逃げまくっていても、なかなか逃げ切れるものじゃないんですね。 みんな仲のいい人ばかりとは限らない。なんとなく虫が好かないっていうか、相性の悪い人がいたりするのね。そういう話はしょっちゅう聞くんです。 チャップリンだったかだれだったかわからないけれど、「わたしは嫌いな人に会ったことがない」っていった人がいるらしいの。 そんなことありえないって思ったんです。 けれど、ちょっと考えてみたら、嫌いな人に会ったとしても、どんなふうにすると嫌われるかっていうことを、その人が教えてくれる、その人はありがたい存在だ、というふうに解釈できる。 嫌いな人もモデルになるっていうのかな。 それから、感じの悪い人に会った場合は、そういう人への抗体ができるのね。優しい人とばかりつきあっていると、対人関係の免疫力が落ちるっていう話があるんですよ。 そういうふうに考えるといいんじゃないかしら。
◆選択性難聴で聞こえないふり 退屈な人と、どうしてもお話をしなきゃいけないってことがありますよね。 わたしの知りあいにも、昔の同じじまん話ばっかり、毎回もう100回くらいはしている人がいるんですよ。 だけど、そういう人から逃げ回っていてもしょうがない。 そういうときには、選択制難聴を使うの。 聞いていても、別のことを考えるわけよ。 ちょっと内容がちがうんだけど、ある兵隊が捕虜になって、長時間歩かされていたとき、その人だけ目がキラキラして楽しそうだったんだって。 あとから別の兵隊が、「あのとき、どうして楽しそうだったんですか?」って聞いたら、「手品のアイデアを考えてたんですよ」って。 これも一種の選択制難聴かもね。 それと、もうひとつ方法があるの。 退屈な人とつきあうときは、「あらほんと? あははは、そうなの?」とか、「えー、知らなかった」とか、ちょっとオーバーに反応して、表情筋の体操をするのね。 退屈な人に退屈な顔をしてると、共倒れになっちゃう。まあいいかって思って、表情筋を動かす。これって、プロもやってるみたいなの。 プロの声優の人が、すごく苦手そうな人としゃべってるのを、遠くで見たことがあるのね。 とても表情たっぷりに話してるから、そのときは「なんだ、調子いいな」と思ったけれど、あれはトレーニングをしてたんだと、あとから思ったの。 わたしたちも、表情筋のトレーニングだと思えばいいのよ。耳でその人の話を聞きながら頭であれこれアイデアを練りつつ、ときどき「なるほど」と、ニッコリうなずくの。
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