「イル・プレージョ」の姉妹店! 豊富なアラカルトに心躍るカウンターイタリアンが麻布台ヒルズに誕生
確かに、最近は一斉スタートのおまかせコース一本のレストランが主流。もちろんそれも、シェフの感性をうかがえる面白さや完成度の高さがしのばれて興味深くはあるのだが、食いしん坊としては、やはり自分の好きなように食べたいわがままもある。その要望に見事応えてくれる一軒が誕生したのは喜ばしい限りだ。
手渡された品書きに目をやれば、生ハム盛り合わせに始まり、馬肉やブリのカルパッチョに甘鯛のフリットなどの前菜からパスタ、メインにドルチェまで全部でざっと25種余りがずらりと並んでいる。イタリアン最大のお楽しみ!? パスタにしても、生しらすの冷製スパゲッティーニもあれば、自家製パスタはタリオリーニにガルガネッリ等々4種類もラインナップする。乾麺も月の輪熊のスパゲッティボロネーゼや鳳凰卵のスパゲッティカルボナーラと全方位的に用意。パスタラバーの思いにしっかりと応えてくれる。
一方メインは肉が充実。蝦夷鹿のロースや宮崎の経産牛、ラカンの鳩など国内外の厳選された食材がメニューを飾る。前菜、パスタ、メインとそれぞれ1品ずつを選んでオリジナルのコースを組み立てるもよし、前菜数品でワインを楽しみ、パスタで締めるもよし。パスタばかりを3~4品がっつり食べるもまた一興と、自分のスタイルで好きなように味わえるのが、まさにアラカルトの醍醐味だろう。
この日は初回ゆえ、前菜2品にパスタ1皿、そしてメインと順当なコーススタイルで楽しむことにした。前菜は、王道の和牛トリッパ・ギアラのトマト煮込みにも心引かれながら、生ハム盛り合わせと甘鯛のフリットに決定。生ハムは、カウンターに置かれた生ハムスライサーで注文の都度スライスしてくれる。スライサーは、あのベルケル社製。そう、スライサー界のフェラーリとも言われる世界最高峰のイタリア製生ハムスライサーだ。
現在、生ハムは(イタリア産が輸入禁止のため)スイスのラペッリ社のそれを使用。共に盛り合わせているのは、札幌のイタリア料理店「パルコ フィエラ」謹製のコッパとモルタデッラ。手作りならではのピュアな味わいが好ましい。ちなみに1皿は大体2人分が目安。1人客には量を調整してくれるのでご安心を。