「もう失敗できない…」夜のプレッシャーで疲弊する夫。レス夫婦がとった、意外な行動
昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。 【データ】レスの割合は? 年齢別の目的は? つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。 これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。 【無子社会を考える#13】
イッペイさんのケーススタディ
「男ならいつでもエッチしたいし、できるはずだ。そんなプレッシャーを日々抱えてしまい、ED気味になってしまったんです。それが原因で自信がなくなり、ますますレスになっていきました」 このように答えてくれたのは、イッペイさん(41歳/会社員)です。 家族は年下の妻(35歳)と8歳の息子さんの3人家族です。 レスは現代の夫婦関係において深刻な問題の一つですが、特にイッペイさんは、性行為に対する自信がなくなり、多大なプレッシャーを感じていたそうです。そのあたりから本人の当時の気持ちをお伺いさせていただきました。 「実は結婚する前から性交渉に対してプレッシャーがあったんです。もともと妻は僕よりも性に関してオープンで積極的な傾向があり、それに答えたいという気持ちがプレッシャーにつながりました。もちろん、妻に悪気はないと思うんですよ。でも、実際は仕事のストレスで疲弊してしまって、そんな気になれないことも多くて。妻は拒否されると、余計に女としての価値がないと不安を感じていたようです。今振り返ると、その都度、しっかりと話し合いをすればよかったと、申し訳ない気持ちがあります」 このように自戒するイッペイさんは、強い男であらねばならないという、社会的な期待のなかで生きてきたことが、レスの問題を一層複雑に感じさせたといいます。 「一度失敗すると、その後のプレッシャーは倍増しますよね。次こそは失敗しないようにと構えすぎると、逆にうまくいかなくなる。特に性行為が男としての評価の大部分を占めると感じてしまうと、不安が大きくなり深刻な悩みと捉えてしまいます。本来は夫婦で話し合いができていれば、そこまで気にしなくてよかったんですが、当時は全てが空回りしていました」