鬼の面に“ケンダン”ユネスコ無形文化遺産「アマハゲ」にほら貝響き渡る肘折温泉「さんげさんげ」 各地で正月の伝統行事【山形発】
新年を迎え、山形・大蔵村の肘折温泉では「さんげさんげ」、遊佐町の鳥崎集落では「アマハゲ」といった正月の伝統行事が各地で行われた。 【画像】「さんげさんげ」には獅子舞も登場
豪雪地に響くほら貝 もちつき開催も
温泉街に、ほら貝ともちつきの音が響き渡った。大蔵村の肘折温泉で伝統行事「さんげさんげ」が行われ、災いのない1年になるよう祈りをささげた。 県内有数の豪雪地・肘折温泉。2メートル近くあった雪はここ数日は落ち着き、それでも積雪は140cmを超えている。こうした中行われた「さんげさんげ」は目や耳・鼻など「六根」から生じる穢れを落とし、清らかな心と体で新年を迎える伝統行事だ。修験者の衣装に身を包んだ地元住民などが、「さんげ~さんげ~六根罪障」と祈祷し、ほら貝の音を響かせながら地区を回った。 恒例のもちつきは、感染症予防のため2025年も住民や観光客への振る舞いを取りやめ、「お供えもち」を配布。獅子舞も披露され、家内安全や無病息災を願った。訪れた人からは「頭…今さら良くなっても遅いかも」「これを見るために来た。健康第一。普通の日常がみんなに訪れると良い」「災害が続いているので、ことしは良い1年になればと思う」といった声が聞かれた。 訪れた人たちは、飛び入りでもちつきに加わり、災害や争いのない誰もが幸せな1年になるよう祈りを込めていた。
鬼の面つけた「アマハゲ」が集落回る
1月6日夜には遊佐町の鳥崎集落で、ユネスコの無形文化遺産に登録されている正月行事の「アマハゲ」が行われた。 「アマハゲ」は、遊佐町吹浦の3つの集落に代々伝わっている正月の伝統行事で、2018年にユネスコの無形文化遺産に登録された。このうち鳥崎集落では、6日夜、鬼の面をかぶった地元の若者4人が「ケンダン」と呼ばれるワラを重ねた蓑(みの)に身を包み、奇声を上げながら約20軒の家々を回った。 アマハゲは、子どもの怠け心を戒め高齢者の長寿を願うものとされていて、地区の住民はことし1年の無病息災を願いながら来訪を受けていた。住民からは「去年来たとき以上に泣いてました。(Q.今年はどんな風に育ってほしい?)健康で立派に育ってくれればいい」といった声が聞かれた。 2024年は、能登半島地震による津波警報で元日の滝ノ浦集落のアマハゲが中止されたが、2025年は3つの集落全てで実施された。 (さくらんぼテレビ)
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