北の富士さん「バカにしているのか?」 ファンを楽しませた舞の海さんとのやり取り
82歳で亡くなったことが20日にわかった、大相撲で優勝10度の第52代横綱北の富士で、NHK大相撲解説者としても人気を博した北の富士勝昭(きたのふじ・かつあき、本名竹沢勝昭=たけざわ・かつあき)さんは、平成10年春場所から20年以上にわたり大相撲中継の解説を続けた。横綱経験者ならではの技術解説や、相撲界の慣習を踏まえたコメントは相撲ファンの高い支持を得ていた。 【写真】やり取りがファンの人気を呼んだ舞の海さん 相撲界のあり方について忌憚のないコメントをするご意見番として存在感を示したことが評価され、放送事業の発展や放送文化の向上に功績のあった人たちに贈られる「NHK放送文化賞」を受賞している。体調を崩して昨年春場所から解説を休むまでは、初日と千秋楽のテレビ解説は正面が北の富士さん、向正面は舞の海秀平さん(元小結)が担当することが恒例で2人のやり取りがファンの人気を呼んだ。 北の富士さんが79歳の誕生日を迎えた令和3年春場所千秋楽の中継で舞の海さんが衣装について、「きょうのシャツを着こなせるのは北の富士さんしかいないですよね」と指摘すると、北の富士さんは「バカにしているのか?」と言い放った。「いや、そんなことはないです」と慌てた舞の海さんに対し、北の富士さんは「舞の海さんから何年か前、誕生日にもらったネクタイがあるんですよ。きょうはそれにしようと思ったんだけど、ちょっと締める勇気がなかったね」とジョークで応じた。 同年の夏場所千秋楽では緑色の浴衣で登場した北の富士さんに対し、舞の海さんが「やっぱり緑色も似合いますね」と持ち上げると「ありがとう。舞の海も着ればいいじゃない、たまには着物を。もう笑わないから」と提案。実況の三瓶宏志アナウンサーが「一度ありましたね、舞の海さん」と回顧する中、北の富士さんは「九州場所で着て『七五三だ』って言われてそれから着ないんですよ」と暴露していた。