”打倒大迫”を果たせなかったびわ湖マラソンの日本人トップが「パリ五輪狙う」一般参加の作田直也だったという衝撃
順大に進み箱根駅伝で活躍した。4年生では10区で区間賞を獲得した。実際は、オープン参加の関東学生連合の選手の記録が上だったが、規定で作田に栄誉が転がり込んでくるという幸運の持ち主。JR東日本に進むが、ずっとマラソンを走りたかったという。 「ずっとマラソンって格好いいと思っていた。誰でも気軽にできる競技じゃないので、それに魅力を感じていた」 2018年のびわ湖で念願の初マラソン。足の甲を痛めた状態で強行出場して2時間25分50秒もかかった。だが、マラソンの魅力にのめりこんでいく。 「マラソンのあの苦しさが、ああ、生きているなあと実感するんです」 そして、今「マラソンが一番頑張りたい競技だ」という。 今大会は東京五輪の最終選考レースだった。 「東京五輪の意識はできていなかった。ああいう人達と比べて力不足。同じステージにはいれていないと思っています。その下。今日は力不足も感じた」 客観的な自己分析をした上でびわ湖の先を語った。 「ビジョンとして明確に持っているのはパリ五輪で日本代表になることです。社会人に入ってから五輪に出たいと意識しました。誰でも出られる大会ではない。目指す価値のあるもの。今は、まだスタートしたばかりのところにいます。一歩、一歩を積み重ね、自己ベスト、自己ベストを更新して、その先に五輪があるのではないですかね」 4年後のパリ五輪を目標に定めた。 「まだ体力がなくすぐにケガをしちゃう」のが課題だが、今後は「年2回のマラソン出場」を果たしていきたいという。たった2年で、約17分も記録を縮めた作田の進化のスピードを考えると、その目標も不可能ではないように思える。 日本陸連の男子マラソン五輪強化コーチの坂口泰氏も「作田は一人(で走る展開)になってから押し切った。向い風でもタイムを落とさなかった。ああいう走りは、世界大会の代表になって優勝を狙える選手だと思った」と評価した。