大盛況だった Twitch の大物クリエイター、カイ・セナト氏のライブストリーミングイベント。ただTwitchにとっては諸刃の剣かもしれない
ブランドセーフティをめぐる課題
記録更新の一方で、今回のサバソンにより、Twitchにとっての課題もいくつか浮き彫りになった。今回のイベントには、セナト氏とゲストがドラッグの使用や同性愛者嫌悪の噂を引き起こす原因をつくったり、クリス・ブラウン氏などの物議をかもすセレブを出演させたりといった(同氏は2009年に当時のガールフレンド、リアーナ氏に暴行を加えたことを認めている)、所々にTwitchのルールを逸脱していると思われる場面もあった。 ある場面では、ラッパーのセクシー・レッド氏が粉末状の薬物を吸引しているような様子が映し出された。これについては、のちにレッド氏本人が、あれはマリファナを巻いていたところだと証言している。また別の場面では、ある男友だちが別の男友だちの膝に座るところを目にしたセナト氏が、彼らをからかっているような様子も映し出された。 ドラッグの使用をうわさされる行為があったにもかかわらず、Twitchは何ひとつ措置を講じず、1カ月間のライブ配信中にセナト氏を罰することはなかった。同氏の行動とは何ら関係のないスワッティング事件(虚偽の通報で特別対応チームを派遣させること)が起きたのち、11月3日に6分間の利用停止が実施されたのみだった。 TwitchやYouTubeなどのプラットフォームで活動するオンラインクリエイターという、より広い視野で見れば、セナト氏は際立って物議をかもす人物でも扇動的な人物でもない。同氏は政治的な発言を避けており、モチベーションに満ちたメッセージをファンに向けて配信していることで知られている。しかし、Twitch随一の有名人であるセナト氏が何かミスを犯せば、ほかのストリーマーの場合よりも、どうしても目立ってしまう。 この記事の配信後にTwitchにコメントを求めたところ、担当者は同社のコミュニティガイドラインに触れて、それが全クリエイターに「客観的に」適用される点を指摘した。