大盛況だった Twitch の大物クリエイター、カイ・セナト氏のライブストリーミングイベント。ただTwitchにとっては諸刃の剣かもしれない
Twitchの独自性
カイ・セナト氏は、Twitchでトップクラスの人気を誇るストリーマーのひとりだ。そんな同氏のソーシャルチャネルには、数千万人のフォロワーがいる。11月に1カ月間通して行われた今回のサバソンには、セナト氏本人以外にゲストも代わる代わる登場し、総売上の20%はナイジェリアに学校をつくるプロジェクトに寄付される。ケビン・ハート氏やクリス・ブラウン氏らセレブの出演もあって、ピーク時には約73万人のサブスクライバーが獲得された。なお、本件についてセナト氏の代理人にコメントを求めたが、回答はなかった。 セナト氏は広告主の関心も集めており、今回のイベントの直前にマクドナルド(McDonald)やNBAといったブランドとのパートナーシップも結んでいる。スポンサーシップによる収益こそなかったものの、今回のイベントでセナト氏はサブスクリプションとドネーションで数百万ドルもの売上を達成した。 各サブスクリプションの標準的な料金は4.99ドル(約750円)で、その売上の50~70%をストリーマーが受け取ることになっている。Twitchも、セナト氏の今回のライブ配信を各種公式チャネルで大々的に宣伝した。Twitchにとって今回のイベントは、ライブ配信クリエイターのための場所といえば、いまもTwitchであることの十分な裏付けになった。 ブランドスタジオ、キングスランド(Kingsland)の創業者でCEOのダグラス・ブランデージ氏は、「YouTubeなどのプラットフォームで、これができるだろうか? できるかもしれないが、これがほかのプラットフォームの文化にはなっていないように思える」と語る。「ライブ配信は新たな深夜番組と化しつつある。クリエイターが自分のゲーム番組やトークショーを作れるまでに進化を遂げている。いかにもいまの時代だ。うまくまとまっており、それがTwitchのオーディエンス、特にZ世代のオーディエンスに受けている」。