今日スペインと初戦!“日本版ドリームチーム”八村塁と渡邊雄太はNBAで何を手にして東京五輪に挑むのか
東京五輪での男子バスケットボール日本代表が世界の頂点を目指す戦いは、いよいよ今日26日のスペイン戦から始まる。 日本と同じグループCのアルゼンチン、セルヒオ・エルナンデスHCは日本について「NBA選手が二人おり一丸となることを知っているチーム」と話した。世界最高峰のリーグでしのぎを削り、その経験から得た自信と知識と技術を日本代表に持ち込む二人。八村塁は2019年のNBAドラフトでウィザーズから1巡目全体の9位という高い指名を受け、1年目からスターターにのし上がり、2年目になるとチームの勝利に貢献できる選手としてさらに存在感を示した。 そして渡邊雄太は、ドラフト外からグリズリーズで2シーズンのツーウェー契約(下部チームに所属しながら、一定期間NBAでプレーできる契約)を経たあと、今季ラプターズでロスター枠を勝ち取らなければならない立場から見事ツーウェー契約を手に入れ、4月には目標としていたNBA本契約に漕ぎつけた。 全く違う立場から「NBA選手」となり、NBAのコートでプレーする八村と渡邊。それだけに二人が日本代表にいることが、より頼もしい。
第4クオーターに強い八村塁
1年目を1試合平均13.5得点、6.1リバウンド、オールルーキー・セカンドチームに名を連ねた八村が2年目に大きく成長したことの一つが、第4クオーターの大事な場面で活躍するということだ。 昨季はブラッドリー・ビール、今季においてはビールとラッセル・ウェストブルックというリーグでもトップ級の選手と一緒にプレーする中、1、2年目の選手が第4クオーターに存在感を見せつけるということは決して簡単なことではなく、八村自身も自らのNBAでの試合経験の少なさを挙げ、「第4クオーターで絡みにいくというのは本当に難しい」と話していた。しかし二人から「積極的に行け」と励まされ続けた。特に司令塔のウェストブルックには、勇気づける言葉を頻繁にかけてもらったり、第4クオーターの大事な場面で「準備していろ。パスがくるから」と常に言われていた。 際立ったのが、プレーオフ第1ラウンドの対セブンティシクサーズ第4戦。ウィザーズが3点リードの第4クオーター残り45.8秒、ゴール下にドライブしてディフェンダーを引きつけたビールからのパスを受けて、コーナーでワイドオープンになっていた八村が決めた値千金のスリーポイント。これでウィザーズが6点リードとして断然有利となり、東カンファレンス1位のセブンティシクサーズから勝ち星を挙げた。 4敗すれば敗退のシリーズで、ウィザーズはすでに3敗を喫し崖っぷちに立たされていた。そのチームを救ったのが2年目の八村、そして八村を信じてパスを出したビール、「お前がいくら外しても気にしない。思い切っていけ」と励まし続けてくれたウェストブルックだった。