「ブルーライトカット眼鏡は不要」医師が勧める「疲れ目」対策
読者の高校生からLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に目が乾く、かすむなどの「疲れ目」の悩みが届いた。勉強したり、パソコンやスマホを長時間使ったりすると目の調子が悪くなり、時には頭痛や肩こりが出ることもある。疲れ目の理由や対策を、眼科医で窪田製薬ホールディングスの最高責任者として医療機器開発に携わる窪田良先生に聞いた。(木和田志乃)
目の酷使、ピントが合わずに起きる「疲れ目」
―目が痛くなったり、かすんだりする「疲れ目」はなぜ起こるのでしょうか? 理由はさまざまです。近くを見続けて目のピントを合わせる筋肉を酷使し疲れてしまうこともあれば、ピントが合わず脳が疲れ「目が疲れた」と感じることもあります。目の表面が乾いて疲れ目を感じる人もいて、ピントがぼけて物が見えにくくなったり、肩がこったりなど症状は多岐にわたります。 ―「疲れ目」になったらどうすればよいですか? 一番の対策は目を休めることです。例えばスマホやパソコンを見る時間を減らしたり、ホットアイマスクや入浴で目や全身を温めたり、場合によっては目薬をさしたりするのが効果的。眼球を押すのではく、目の周りをマッサージするのも気持ちがいい事があります。 ただ、自分では疲れ目の理由を判断できないことも多いでしょう。休んでも目の疲れや全身の不調が取れない場合は、眼鏡の度が合っていなかったり、パソコンをじっと見てまばたきをするのを忘れていたり、何らかの病気が隠れていたりする可能性があります。目が疲れる原因を明らかにするために、眼科で診断してもらうことをおすすめします。
ブルーライトはカットしないで
―中にはブルーライトカット眼鏡を使う高校生もいるようです。疲れ目や目の健康へ効果はあるのでしょうか? 私は特に使った方がいいとは思いません。ほとんどのパソコンやスマホにブルーライトカットのモードがありますので、わざわざかける必要はありません。特に成長期には、ブルーライトはもちろん、紫からや赤まで全ての色の波長が目に入ることが重要だと言われています。特定の波長をカットすることがいいという科学的根拠はなく、不自然な状態を作り出すことはするべきではないと考えています。 ―ブルーライトをカットすべきタイミングはありますか? ブルーライトには覚醒作用があり、目に入ると眠りを妨げます。そのため、夜寝る前にブルーライトカットモードのないパソコンやスマホを見なければいけない時にブルーライトカット眼鏡をかけるのは意味があると考えられています。もしパソコンやスマホの光が目に入ると疲れる場合は、全波長をカットするグレ―のサングラスを使ったり、ブラウザーの明るさを下げると疲れが取れたりします。