日本最東端の駅がダイヤ改正で64年ぶり廃止・変更へ 縮小の止まらない北海道の鉄道地図
■100年の歴史に幕
大正13(1924)年に開業した宗谷線の抜海駅は昨年、100周年の節目を迎えた。築80年以上の木造駅舎を持ち、「最北の木造駅」「最北の無人駅」として親しまれている。
集落から離れたところにあり、1日の平均乗車人員は2・2人。稚内市が維持管理をしてきたが、代替交通のめどが立ったために来年度以降は維持をしないと決定。地元では映画やドラマのロケ地として使われた実績から、観光的な価値を訴え、歴史に幕を下ろすこととなった。
厳しい経営環境にあるJR北海道は廃駅、廃線が相次いでいる。同社のホームページによると、会社発足直後の昭和63年には619駅(うち有人は143駅)、鉄道営業キロは3192・8キロだったが、令和6年4月現在では322駅(有人95駅)、2254・9キロに減っている。
北海道新幹線の札幌延伸に向けて工事は進むが、開業すれば函館線の小樽-長万部(おしゃまんべ)間が並行在来線として廃止される予定で、駅の数はますます少なくなる。北海道の鉄道の縮小は止まらない。